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原木切り出し、野沢菜漬け
12月8日(日)
前日に続き雪が降り、センター周辺も白く染まり本格的に冬が訪れました。
この日は午前中に原木の切り出し、午後に野沢菜漬けをしました。
・原木の切り出し
ガスや電気のなかった時代、厳しい冬を越すために炭は生活必需品で、農作業がない冬は炭焼きをしてそれを売り、生計を立てていたそうです。
今回はナラの森キャンプ場へ、炭焼きに使う木を切りに行きました。
防寒対策をしっかりして、歩いてキャンプ場に向かいます。
原木伐採の講師として、林業のプロフェッショナルの方に来ていただきました。木の特徴から、林業の仕事で大切にしていること、木の倒し方など多くのことを教えてくださいました。
冬に木を切り出すのには理由があります。炭焼きによく使われるブナ科の木は冬になると葉を落とし、水分を吸い上げるのを控え休眠状態になります。そのため木材が乾燥して持ちが良いので、あえて寒い冬に切り出すそうです。
今回切り倒すのは3本。
まずは2本を講師の方々に伐ってもらいました。
チェーンソーの音が響くと緊張感が広がりました。木はあっという間に伐り終わり、倒れるときには大きな音とともに雪が舞い、大迫力でした。
2本目に伐った木は枝が周りの木に引っかかってしまったので、ロープをかけて全員で引っ張って倒すことになりました。「いくぞー!ひけー!」と、声を掛け合ってなんとか倒すことができました。
その後、新入園生はノコギリで原木の伐採を行いました。
木を倒す方向を決める受け口を作り、
次に追い口を切っていき、木を切り倒します。
チェーンソーと違ってノコギリは時間がかかって大変ですが、交代交代に伐り進めていきました。
狙った方向に切り倒すのは林業の人でも難しいことですが、今回は上手く切り倒すことができ、子ども達も達成感を得られた様子がありました。
継続生は、講師の方が切ってくれた木の枝をノコギリやナタで切っていきました。
この日は雪も降り、「冷たい!」と手がかじかんでしまう子もいましたが、寒さに負けずに一生懸命作業する姿がありました。
伐った幹や太い枝は、車でセンターの炭焼き小屋へ運びました。
一人で頑張って運び、大きい幹は一人では持ち上げるのも大変なため、協力し合う姿がありました。
「これは重くて持ち上がらないけど、転がしたらいける!」「誰か一緒に運ぼう」と、厳しい環境の中でも最後まで積極的に頑張っていました。
全員で作業を分担・協力し、炭焼き用の木を用意することができました。来年の2月に、今回の木を使って、炭焼きを行っていく予定です。
・野沢菜漬け
昔、野沢温泉村の住職が、京都から天王寺カブを持ち帰り、植えてみました。
京都の温暖な気候では大きなカブが育ちますが、寒冷地の野沢温泉村では根は大きくならず、代わりに茎と葉だけが大きく成長しました。それを食べてみたところ、味は美味しいと好評。地名のついた「野沢菜」が生まれたそうです。
冬の寒さが厳しく、作物が育たない長野県では、野沢菜を漬けることによって冬の食糧としていました。
今年は、あらかじめセンターの畑で収穫した野沢菜を洗うところから始めました。
まずは、付着している土やカラマツの葉を取り除く下洗いをします。
次に本洗いで、落としきれなかった汚れを落としていきます。
本洗いで使った水道は冷水しか出ず、手が真っ赤になりながらの作業。あまりの冷たさに、「手がうまく動かない...」と冬仕事ならではの苦痛を体験しました。お湯を持ってきてもらい、かじかんだ手を温めながら作業を進めました。
本洗いした野沢菜の最終チェックをし、最後は5kgに計測して束にしていきます。
野沢菜を全て洗い終えたら、樽に漬けます。
新入園生と有志の子が集まり、塩漬けを作りました。
野沢菜を一段並べて、調味料をかけ、また並べて調味料をかけるを繰り返します。
ひとつの樽に25キロの野沢菜を漬け、全部で3つの樽を作り終えることができました。
午前は雪の中の作業、午後は冷たい水で手を冷やしながらの作業をし、冬の仕事の大変さが身に染みた学園生でした。
またこの日は、体験入園があり、体験入園生の前で演目発表をしました。収穫祭以来初めての発表でしたが、体験入園生の前で堂々と発表することができました。
音が揃い迫力の増した演目で、子ども達の成長を感じることができました。これから3月の修園に向け、さらに演目を覚える子もいます。3月の演目発表でさらなる成長をした姿を見るのが楽しみです。