通学合宿3日目(箱膳体験)
6月21日(金)
通学合宿3日目。地元生も徐々にセンターでの生活に慣れてきたようです。
この日も夕食時に学校の先生方が来園し、子供たちと共に箱膳体験を行いました。
箱膳とは、江戸時代から昭和初期頃まで使用されていた四角い箱型のお膳です。西洋文化の広がりと共に使用されなくなり、センターでも普段は机を使って食事をしています。日本の昔からの伝統文化に触れる体験と、改めて食事の作法を学ぶために、毎年箱膳を使う日を設けています。
最初に、厨房スタッフから箱膳の歴史や特徴についての説明がありました。
昔の日本の民家は、土間と一部屋のみの家屋が一般的でした。箱膳は、箱の中に茶碗一式をしまって積み重ねることができるため、狭いお家でも場所を取らずに済みます。各家庭でひとり1つずつ箱膳が用意されて、自分の箱膳に箸や茶碗を入れて、いつも1セットで管理していました。これは、現在の「銘々膳(マイ箸・マイ茶碗)文化」に繋がっているそうです。自分のものを決めて大切にし、丁寧に扱うという精神は「学園生の心がまえ」にも通ずるものがあります。
まずは上蓋をひっくり返して木目を合わせ、自分のお膳にそれぞれ味噌汁・ご飯・おかずを乗せます。
はじめて箱膳に触れた子供たち。「時代劇でみたことある!」と興味津々でした。
配膳が終わり、皆で黙とうと「いただきます」のあいさつ。
先生方との会話を楽しみながら、和やかな様子で食事をしていました。
箱膳はいつも使っている机よりも背が低いので、上手に綺麗な食事をするためには、茶碗をしっかり持ち、正しい姿勢で食べる必要があります。学園生にはこれまで何度も食事の作法について話してきましたが、普段の食事でいかに意識できているかが試されます。
子ども同士で食事作法を確認し合う様子もありました。
食事が終わると、昔の慣習に倣って茶碗にお茶を注ぎ、沢庵を使ってお椀を綺麗にするという体験をしました。お茶も沢庵も最後まで美味しくいただき、お皿も綺麗になりました。
箱膳だといつも以上にご飯が美味しく感じるようで、ごはんをお替りする子どもも多くいました。「箱膳楽しかった」という声も聞かれました。
皆で美味しく楽しく食事をしながら、日本の昔ながらの伝統や作法に触れることができたようです。