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やまなみだより

八坂美麻学園 元気な子どもたちの山暮らし日記

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週末活動


12月2日(土)・3日(日)

12月になると気温がぐっと下がる日が増えてきます。ここ数日は八坂でも雪が舞い、冬の訪れを感じさせます。

この週末は土曜日に野沢菜の収穫、洗い、野沢菜漬けの作業。
日曜日は、座禅体験と安曇野散策を行いました。

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・12/2(土)

午前中は、八坂小中の子が郷土ふれあい体験学習で学校に行っていた為、美麻の子で野沢菜の収穫。
午後に全員でお菜洗いと野沢菜漬けを行いました。

・野沢菜収穫

長野県と言えば野沢菜漬け!
その昔、野沢温泉村の住職が、京都から天王寺カブを持ち帰り、植えてみました。
温暖な気候で育つそのカブは、寒冷地の野沢温泉村では根は大きくならず、茎と葉だけが大きく成長し、食べてみたところ、味は美味しいと好評。地名のついた「野沢菜」が生まれました。
冬の寒さが厳しく、作物が育ちません。昔は野沢菜を漬けることによって冬の食糧としていました。
今の野沢菜漬けの原点です。

雪が降る中の作業のため、一番温かい格好をし、その上にかっぱをきて上の畑へ出発!到着後、まずは収穫方法を確認しました。野沢菜の収穫は他の野菜に比べて、少し複雑です。

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なるべく土がつかないよう、なおかつ葉がバラバラにならないようカブのぎりぎりを包丁で切り落とします。

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そして硬い葉を落とした後にカブの部分に切り込みを入れてやっと収穫です。最初は「カブより上のところ切っちゃったー。」「葉っぱに土がついちゃったよー」と苦戦している様子。

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指導員からも「ここもうちょい切り落としてー」と声がかかっていました。しかし1列目が終わる頃にはみんなコツをつかんだ様子。
雪の寒さもあったので、黙々と作業を進めて行きました。また途中からは収穫係、収穫した野沢菜を運ぶ係、収穫した野沢菜を5キロずつにまとめる係に分担。
自分たちができることを精一杯行いました。約2時間かけて、4列分の収穫が完了。全部で100キロ以上の野沢菜を収穫することができました。

・お菜洗い
午後は、八坂小中の子も合流しみんなでお菜洗いをしました。
お菜洗いは、下洗い・本洗い・計量・結束という順番で作業を行っていきます。

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下洗いは、たらいに水を入れ土などの汚れを取っていきます。
「こんなもんかな」とチェックを簡単に済ませ、本洗いにまわします。

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本洗いは、水しかでない水道で洗う為、とにかく寒さ、冷たさとの戦い。
すき間のカラマツなど、下洗いでとり切れなかったものを取り除いていきます。
「手の感覚がもうない...」「なんか水があったかく感じてきた」と究極の寒さに苦しむ子や限界を超え逆にハイテンションで作業を進めている子もいました。
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最終チェックをしながら計量。5kgに合わせて束にしていきます。

野沢菜を全て洗い終えたら、野沢菜漬けを作ります。
この日は、塩漬けを漬けました。
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センターの野沢菜漬けでは、塩・ザラメ・酢・野沢菜漬けの元・トウガラシ・味噌を入れます。
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野沢菜を一段並べて、調味料をかけ、また並べて調味料をかけるを繰り返します。
「はい、調味料かけてー」「野沢菜詰めてー」と声を掛け合いながら作業を進めます。

今回は、ひとつの樽に20キロの野沢菜を漬け、全部で3つの樽を作りました。
20キロも入れると、ふたが閉まらないほどぎっしり入っている野沢菜ですが、数日経つと水分が出て、量が半分ほどになります。

全ての作業を終えると「終わったー」「早く野沢菜食べたい!」とすでに食べるのを楽しみにしている子ども達でした。
歴代の学園生も一番つらかった活動のひとつに挙げることも多いお菜洗い、みんなで協力し、無事に漬け終わりました。
塩漬けを食べれるようになるには一か月ほど漬けます。
冬休みから戻ってきたときに食卓に並ぶ予定です。

・12/3(日)
この日は、午前に座禅体験、午後に歩く活動を行いました。

・座禅体験

座禅体験は、以前から育てる会の活動で毎年行っていましたが、ここ数年は感染症の影響もあり、しばらく行えていませんでした。
実に4年ぶりとなったこの活動。
長年お世話になっている、曹洞宗の「宗徳寺」に行き、座禅体験をさせてもらいました。

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前日のミーティングでは、なぜ座禅をするのか『禅』の教えとは何かなど、映像資料を見ながらイメージを膨らませました。
「修行って大変そうだけど少し僕たちと似てる」と修行山留生活の日常ともつながっていることも気づきました。

当日、お寺に着くとさっそく和尚さんに座禅について教わりました。

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座禅は「調身」「調息」「調心」の3つの「調」が大切です。まず、姿勢を整え、その次に呼吸を整えると、心も整います。
説明を聞きながら実践してみる子ども達、「調身」から苦戦し、「足が痛い...」と言っている子もいました。

一通り説明を受け終わると壁に向かって座禅をしました。
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始めに10分回行い、次に15分間座禅をしました。
座禅の際は、考え事をしてもいいが、呼吸に集中し、何も考えないことが望ましいそう。
子ども達は、自分と向き合いひたすら座り続けました。
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中には、体験で警策という棒で、叩いてもらっている子もいました。
2回の座禅が終わったころには「あ、足が」と足がしびれてすぐに立てない子や「たった15分なのにすごく長く感じた」とただ座る大変さを感じた子ども達でした。

座禅が終わった後は、写経も体験させてもらいました。
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写経は、お経を書き写すことで、邪念を払うとされています。僧侶の修行の一環として行われてきました。
写経は、集中力を必要とし、精神統一が期待できます。
子ども達は、無心になってお経を書き写していました。普段書くことが好きでない子でも黙々と書き写し、全て書き終わると「めっちゃよく書けた!」と達成感に浸っていました。

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その後、和尚さんの話を聞き、座禅体験は終了。
貴重な体験ができました。

・安曇野散策

午後からは3班に分かれて安曇野散策をしました。まずは全員で穂高神社へ向かいました。穂高見命を御祭神に仰ぐ穂高神社は、古くより日本アルプスの総鎮守、交通安全、産業安全の守り神として広く信仰されています。

代表者に合わせて二礼二拍手一礼。全員きれいに揃ってお手本のようでした。さすが学園生、、!

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中3は高校受験の合格祈願もしました。今回参加できなかった子の分もしっかりお祈りしました!

さて、みんなの楽しみにしていたお小遣いを持って、穂高神社から集合場所の「八面大王の足湯」まで約5kmの道のりを歩きました。

「道祖神をたくさん見つけた班にはボーナスがあるかも。」と指導者から声をかけられ、限られた時間の中で「こっちにあるよ!」「あそこにあるのそうじゃない!?」と、道祖神を見つけていました。

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道祖神は、村境で悪霊や悪い病が村へ入るのを防ぎ、旅人の安全を守り、五穀豊穣、家内安全、子孫繁栄などの守り神として、昔から路肩や玄関先に置かれました。安曇野には約400体以上の道祖神があるとされ、単体の市町村では日本一と言われています。1番多く見つけられた班は20体の道祖神と写真を撮ってきました。

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安曇野には数々の民話が言い伝えられており、「八面大王の足湯」の八面大王もそのうちの一つです。八面大王は大姥山という八坂の里山に伝わる民話に登場する、金太郎の父親だと言われています。八坂ともつながりのある足湯で、歩いてきた疲れを癒しました。

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班ごとにハプニングもありながら、楽しい思い出作りができた様子でした。

週末は、体調不良者が多く、全員での活動とはなりませんでしたが、野沢菜洗いなど寒さに耐え働く活動や、座禅といった古くからの教えにふれる体験、安曇野を知る活動といった内容の濃い、充実した活動となりました。















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