脱穀
10月6日(金)
段々と肌寒さを感じるようになり、北アルプスの山々では初冠雪を観測した場所がありました。
八坂もすっかり秋らしい陽気となり、この日は心地よい秋空の下で脱穀の作業を行いました。
脱穀は刈った稲から籾を採る作業です。
籾とは、お米の外側に固い殻が付いた状態のものです。この殻(籾殻)を外すと中から玄米が出てきます。これを精米することでやっと、普段馴染みのある白米ができるのです。
作業を始める前に、一人一本稲から籾を外して、指で潰して固さを確認したり、籾殻を外して食べてみたりしました。
4月の田起こしから始まった稲作ですが、脱穀は学園で行う最後の田んぼ作業です。これまでやってきた作業と同様に、今回も昔ながらの方法を体験しました。
まずは足踏み脱穀機を使用して、稲から籾を外します。
扱いが少し難しいですが、継続生が新入園生をサポートしてくれました。
足踏み脱穀機を使用しても残ってしまった籾は、千歯扱きを使用したり、手作業でとる体験も。
「昔の人って、本当に大変だったね...」と、昔の米作りの苦労を実感。
集めた籾をふるいにかけて、混ざってしまった藁などを取り除きます。
さらに「とうみ」という農具を使い、風の力で細かなゴミを取り除きます。
班ごとに役割をローテーションして、全員がすべての工程を体験することができました。
約2時間かけて作業を進めたあと、もう半分の稲はハーベスターに掛けました。
あっという間に、はざ棒にかかった稲がなくなっていく様子をみて「機械、便利すぎる...」と思わず本音が漏れます。文明の発展に感謝...
さて、学園の稲作が全て無事に終わりました。
収量は8.5袋分。これは約1.5石分に換算されます。
「1石」というのは、成人が1年間で消費するお米の量と言われています。つまり学園生と指導員、合わせて40人近くでこれだけ時間や手間をかけてきても、1年間に2人分も賄うことができないということです。子ども達からは「少ないね...」「大変すぎるよ!」という声が聞かれ、稲作がいかに大変なのか、お米がいかに貴重なものであるか、そして自分たちがお米を毎日食べられる事への感謝などを、身をもって実感したようです。
収穫したお米は精米を行い、収穫祭でお供えした後に美味しくいただきます。子ども達には、稲作を通じて得た学びや感謝を胸に収穫祭に臨んで欲しいです。