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やまなみだより

八坂美麻学園 元気な子どもたちの山暮らし日記

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蝶ヶ岳登山


9月9日(土)

子どもたちが心待ちにしていた学園登山当日の朝。

朝4時半起床という、いつもと違う1日の始まりにワクワク、少しそわそわ...眠い目をこすりながらも朝食をしっかり食べて、いざ出発です。

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今回挑戦したのは北アルプス(飛騨山脈)の「蝶ヶ岳」という山です。

ここ数年の新型コロナウイルス感染対策等や天候不良等により、1泊2日の学園登山を実施するのは実に5年ぶりで、学園生のほとんどが今回が初めての本格的な登山でした。

事前ミーティングでは、数年前の学園登山の写真や動画を見て、「早く行きたい!」と心を躍らせていた子どもたち。一方で、山には様々な危険が潜んでいることも学びました。楽しい登山にするためには、しっかりと事前準備を行うことが大切だという話をして、前日にも全員で入念に荷物チェックを行いました。

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着替えや防寒具、1リットル以上の水や行動食などを詰めていつもより大きくなったリュックサックを背負い、駐車場から登山口へ歩き出しました。

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準備体操も入念に。

毎日の習慣によって、音源がなくてもラジオ体操ができるようになっていました。

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登山口から班ごとに1列で登っていきます。

「よっしゃー、頑張るぞー!」「山頂待ってろよー」

気合も十分です。

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コース序盤はみんなの大好きな吊り橋を渡ったり、力水で元気をもらったりと見所がたくさん。

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蝶ヶ岳名物の「ゴジラみたいな木」の前で記念写真。

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戦ってるポーズをしたり、石を見つけて歯を増やしてみたり、思い思いに楽しんでいました。

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行動食でのエネルギーチャージも、前回塩の道を歩いた際の練習が活かされていました。食べすぎることなく、自分の身体と相談しながらモグモグ。

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中盤を過ぎると急な階段が増えていきます。

「階段まだ続く?」「頂上あとどれくらい?」などと心の声が漏れることもありましたが、それでも誰一人として登る足を止めません。日々の登下校で培われた脚力がしっかりと発揮されていました。

少し登りが苦しくなった時も「あと900メートルだって!みんな頑張ろう!」と声をかけ合う姿がありました。

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蝶ヶ岳は「高山植物の宝庫」と言われており、センター周辺では見られない植物が目を楽しませてくれました。さらに森林限界を迎えると、今度は視界が開けて、霧の向こうにうっすらと山頂が見えてきました。

「あともう少しだあー!」

最後の力を振り絞り、無事に全員が登頂!

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達成感が溢れるいい笑顔で記念撮影

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自由時間には景色をみたり石で遊んだり、各々楽しんでいました。

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登頂した際には曇っていた空が、夜には晴れてきました。

「こんなに沢山の星みたことない!」「流れ星みえたー!!」

子どもたちは満点の星空に大興奮。

「明日も晴れてるといいな」「日の出見たいね」と、ご来光への期待を膨らましながら1日目が無事に終わりました。

10日(日)

ご来光に備えてこの日も4時半に起床しました。

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外に出ると前日の夜よりも空気がひんやり...寒さ対策をばっちりして、空が明るくなるのをじっと待ちます。

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「みてみて!太陽出てきた!」「うわあーすごいね...!」

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空が段々と明るくなるにつれて周りの景色もはっきりと見えてきました。

目の前には朝焼けと雲海、背後には槍ヶ岳や穂高連峰、右には富士山、左には百名山のひとつである常念岳がみえます。なんとも贅沢で美しい景色に「人生で見た中で一番きれい」と話す姿も。

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最後は2日間お世話になった山荘の方にお礼をして、いよいよ山頂を後にします。

「まだ下りたくないよー」「ずっとここにいたかった...」

名残惜しさをにじませていました。

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登りでは苦労した階段も下りはあっという間ですが、一歩一歩は慎重に、最後まで気を抜かずに進みました。大きな怪我もなく、全員無事に登山口まで帰ってくることができました。

帰りには温泉に入り、全身の疲れがすっかり吹き飛んだ様子。子どもたちはセンターへ帰ってきても元気に過ごしていました。

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今回の登山で子どもたちは、自然の美しさはもちろん、厳しさにも触れました。荷物の重さ、足の痛みに疲れ、苦しい思いもしたと思います。それらに負けず、班で励まし合って同じ苦労や感動を分かち合いながら、1歩1歩進み続け、全員が自己に打ち克って山頂に立つことができました。

今回の登山で得たことをそれぞれが心に留めて、2学期も豊かな実りある時間を過ごして欲しいです。















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