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塩の道・畑
8月26日(土)
2学期が始まり、子どもたちは少しずつ生活リズムを取り戻しながら元気に過ごしています。
夏休み明け最初の週末活動は「歩く活動」を行いました。
学園では「歩くこと」を大切にしています。歩くことは身体的な健康だけでなく、通学路を歩くことによる自然との接点、また子どもたちの内面の成長や気づきをもたらすものでもあります。
今回歩いた「塩の道」は、まだ人々が歩くことしか交通手段がなかった時代から、塩や海産物を内陸へ、山の幸等を沿岸の地域へとつなぐ、生活に重要な役割を果たす交通路でした。今回はそんな道の一部である「大網峠」を実際に歩き、昔の生活やその苦労に思いを馳せ、農山村での生活文化や自然に関心を持ってもらいたいという願いを込めた活動です。
事前のミーティングで「約11キロの道のりを歩く」「結構道が険しい」と聞いた子ども達。
「えー、歩けるかなあ」なんて話していましたが、当日の朝はワクワクした表情で「早く出発しようよ」とかなり前向き。班ごとに連なって、スタート地点の大網諏訪神社から峠へ向かって歩き出しました。
最初は広く整備された道でしたが、次第に道が細く険しくなっていきました。
「昔の人は本当にこんなところ歩いてたの?!」「牛がこんなところ通れるわけないよ」
この大網峠のある千国街道はのぼりがかなり険しいため、馬よりも踏ん張る力のある牛が、荷物運びとして重宝されていました。
まさに道なき道。人の手があまり加わることなく自然が残されている大網峠には、途中にいくつもの沢が流れています。
「冷たくて気持ちいい!」
濡らしたタオルをみんなで首に巻いてクールダウン。自然の恩恵に元気をもらいながら進みました。
牛の水飲み場やお地蔵様など、道中には見所が沢山。ほかにも子どもたちは、大きな穴が空いた木や、自分が知っている植物などを見つけ、まさに歩かなければ分からなかった発見を沢山していました。
峠を登るにつれて、ウトウと呼ばれるU字状に道がへこんだ様子が見られるようになりました。人や牛が歩いたことと自然の風化で土が削れてできたものです。
「この登りを頑張ればもうすぐ峠のいちばん上...」「昔の人は塩を持ってここを登ったのか...すごいなあ」「がんばるぞー!」
昔の人の苦労を思うと負けてられません。班のみんなで声をかけ合い、気合を入れながら急斜面を登り切りました。
無事に峠のいちばん上に到着。
行動食のおにぎりやお菓子でエネルギーチャージ。今回は、9月に予定している学園登山に向けて、自分が必要だと思ったタイミングで水分や行動食を摂取する練習をしました。
ケガをしないように下りも気を抜かず、最後まで全員で歩ききりました。
途中には日本海を見ることができて子どもたちは大喜び。
「本当に海からつながってるんだ!」「すごーい」
自分たちが峠をひとつ越えた先には本当に海がつながっていると確信し、昔の人が塩を運んだ道の一部を歩ききったという達成感に満ちた表情を浮かべていました。
最後はみんなが楽しみにしていた温泉とソフトクリームを堪能し、1日の疲れは一気に吹き飛んだようでした。
新学期最初の活動で体力が落ちていないか少し心配していましたが、しっかりと歩ききって1学期間で身につけた体力や内面の成長をみせてくれた子ども達。
次のセンター期間には北アルプスを登ります。今回の活動で得たことを活かして頑張って欲しいと思います。
8月27日(日)
塩の道を歩いた次の日は畑作業を行いました。
学園の畑も、継続生が管理している一坪の畑も、夏の間にスクスクと成長をして立派な夏野菜がたくさん実りました。
まずは、1学期にじゃがいもを掘り起こした学園の畑に新たな畝をたてて、秋野菜の種まきを行いました。
今回は野沢菜、地大根、大根、春菊の種を植えました。
新入園生も畑作業にだいぶ慣れて、次にやるべき事もみえるようになってきました。おかげで種まきはあっという間に終了。
続いて新入園生は中の畑へ移動し、周囲の草取りをしながらトウモロコシとカボチャの収穫をしました。
「みてーこんなに大きいよ」「これもう収穫できるね」
収穫のタイミングを見分ける方法を教えてもらい、両手で抱えきれないほど沢山収穫できました。
下の畑でもまだまだ夏野菜が沢山実ります。
トマト、ナス、キュウリ、ゴーヤ、オクラを収穫しました。
採れたての野菜を味見。
「トマト美味しい」「きゅうり甘いね」「ピーマンも甘いよ、食べてごらん」
自分たちが作業した畑でできた野菜の収穫は、何にも変えられない喜びがあります。
継続生は自分の一坪畑に行き、夏休み中に伸びきってしまった雑草をとり、新たに秋野菜の種や苗を植えました。
「トマトまだこんなに採れた!」「冬野菜もいっぱい採れるといいな」
一坪畑は自分たちで全て管理する大変さがありますが、その分収穫の喜びもとても大きいです。今回の反省や学びを活かして、2学期も沢山畑へ足を運んで欲しいです。