小学生船舶活動
5月28日(日)
天気が心配されていましたが、雲の切れ間から青空も見えたこの日は、待ちに待った小学生の船舶活動日です。
船舶は水辺の活動で楽しいですが、危険も多く伴う活動です。
「船頭多くして船山登る」という言葉があります。みんなで力を合わせずに、ひとりひとりが自分勝手な事をしていたら、船は露頭に迷ってとんでもない場所へ行ってしまうという例えです。決めた場所へ向かって船を動かすためには協力が必要不可欠です。船舶活動を通して、子どもたちに協調性や集団行動の大切さを感じてほしいという目的もあります。
事前ミーティングでは最初にこの事を説明し、集団行動の練習を行いました。
船舶活動は集団行動だけでなく、様々な事前準備・学習が必要です。まずは活動をする諏訪湖がどこにあり、どんな環境なのか。クルーザーはどんな船なのか。そして、どのように操作して動かすのか。問題を出し合ったりしながら、船の部品の名前や帆走方法などの用語を沢山覚えました。
船同士を繋いだり係留したりと、船舶活動ではロープワークも必須です。最初こそ「むずかしいー」「どうやるのー」と苦戦していましたが、一度理解すると楽しそうに何度も練習する姿がありました。当日も、行きのバスの中では、多くの子どもたちがロープワークの練習をしていました。おかげで約一時間半の道のりもあっという間です。
「わあーみえたー」「諏訪湖でかーい」
これから活動する諏訪湖を目の前にして、ワクワクがとまりません。
ポートへ到着してまずは、育てる会本部のスタッフにご挨拶。水辺の活動の危険性についても再度確認しました。
ライフジャケットをしっかり装着して準備は万端!
小学生船舶では2班に分かれてクルーザーとカヌーを交代で体験。継続生はカヤックにも挑戦しました。
カヌー・カヤックは最初にパドルの持ち方、使い方を練習しました。
協力して船体を運び出したらいざ出航!
みんなで息を合わせながら一生懸命漕ぎだします。
「手がつかれるー」「もう少しだー!がんばろ!」
風に負けないように声を掛け合いながら進みます。
午前中は初島という人工の浮島までカヌー・カヤックを漕ぎ、そこへ祀られている諏訪大明神にお参りしました。諏訪湖花火大会の花火の一部はここから打ちあがるのだそうです。
午後は風が強くなってきたので、ポート近くの桟橋まで冒険しました。橋の下をくぐるという、普段なかなかできない体験ができるのも船の醍醐味です。
沢山動いて活動した後のお昼ご飯は本当に美味しく感じます。
しっかりと休憩して午後の活動に備えました。
こちらはクルーザーでの様子。
カヌーやカヤックは自分がパドルを動かさなければ進みませんが、クルーザーはエンジンを止めれば、風の力を借りて動かす帆船です。風の向きを読み、タイミングを合わせてセール(帆)の位置を移動して、進行方向を変える「タック」「ジャイブ」を行います。ティラーを握り舵をとる人は、風見で風の流れを読みながら指示を出します。
「タック用意!」「スターボ側に寄ってー」「ブームくるよー気をつけてね」
事前に皆で勉強した単語が次から次へと飛び交います。
ティラーだけで船を動かすわけではありません。セール(帆)に繋がれたロープを引いたり送り出したり、船の傾きに合わせて場所を移動したりと、船に乗る一人ひとりが考えながら動く必要があります。
全員がティラー操作を体験し、回を重ねる毎にそれぞれが役割を理解して船を決めた方向へ動かすことができました。
全ての活動を終えたあと、全身で「ライフジャケットは本当に浮くのか!?の点検」を行いました。
「水の中あったかーい」「ほんとに浮いてる」
少し曇ってはいましたが、全員が思いきり踏み込んで次々に飛び込んでいきました。
最後に、お世話になった諏訪湖へご挨拶。
沢山動き、沢山頭を使った1日でしたが、学園生は帰りのバスでも元気いっぱいでした。