味噌玉作り・田起こし・じゃがいも植え付け
4月16日(日)
前日の雨が嘘のように晴れ、絶好の味噌玉作りと農作業日和となりました。
午前中は味噌玉作りを行いました。
作業に取り掛かる前のミーティングでは、味噌玉を作る理由や味噌がどういうものかについて話しました。八坂美麻学園では毎年味噌を作っており、毎日の食事で提供される味噌汁にはもちろん、様々な料理でこの味噌が使われています。味噌は2夏越すと良いと言われており、時間の経過とともに味が濃くなっていきます。これまでに仕込んできたセンターの二年もの、三年ものの味噌を味比べしました。
「三年ものがいちばん好き」「全部おいしい」
味噌は大豆、塩、水、麹によってできますが、昔は麹が高価でした。安くて美味しく味噌を作りたいという思いから昔の人々は知恵を使い、味噌玉を作ってカビの力を借ることで少ない麹でも美味しい味噌を作る方法を編み出したのです。
そんな昔の人々の思いや伝承されてきた方法を体験して欲しくて、子どもたちには毎年味噌玉を作る味噌づくりを行っています。
今年は60キロの大豆を用意し、中学生が事前に全て洗って煮てくれました。
こうして煮あがった大豆を味噌すり機でペースト状にします。
手動の味噌すり機はハンドルを回すのに一苦労の様子。
「けっこう力がいるね」「疲れたあ」「次交代しよう」
班で協力し合って全ての大豆を潰しました。
擦りつぶされた大豆をテニスボール大に丸めたもの、これが味噌玉です。
みんなで美味しくなあれと気持ちを込めながら、約300個の味噌玉を丸めました。
この味噌玉はゴールデンウィークにつぶして、塩と麹を混ぜ、水を加えて樽に仕込みます。それまでの味噌玉の変化を追っていくのも楽しみです。
午後は田起こしと、じゃがいもの植え付けを行いました。
古くから日本で行われてきた稲作は、食文化だけでなく藁の利用まで、生活の様々な場面で役割を担ってきました。なるべく機械に頼らず、主食であるお米を食するまで、みんなで協力し合って共同労働体験をして欲しいという思いが込められた活動です。
田起こしは一年を通して行われる稲作において、学園で取り組むいちばん初めの工程です。
固くなった土を掘り起こすことで、空気に触れた微生物の動きを活発にさせる働きがあります。
「重たすぎ!」「すぐ汗かいちゃうよ」
先週は畑起こしをしましたが、今回は前日に降った雨によって土が重くなっていました。継続生でも鍬の扱いに苦戦していましたが「新入園生の分まで頑張る!」と自ら進んで交代を申し出ていた子も。
そんな継続生の姿をみて、新入園生の止まっていた手も動き出します。そんなこんなで一時間半かけて田んぼを一面掘り起こしました。
田んぼの次は畑へ移動し、メークイン、キタアカリ、男爵と3種類のじゃがいもを植えました。耕した土を踏み固めないように注意しながら平鍬で一直線に土を掘り、種芋と肥料を交互に置いて土を被せました。
春が早い影響で、今年は早くに種芋を植え付けるタイミングがやってきました。7月頃には収穫できる予定です。継続生だけが持てる自分だけの畑、一坪百姓の計画も順調です。学校から帰ってくると時間を見つけては、少しずつ畑起こしを行っています。これから様々な野菜が畑に生っていくのが楽しみです。
朝から味噌玉、農作業と沢山働いたこの日の夕食は、厨房スタッフが大豆尽くしのメニューを!
揚げ出し豆腐、湯葉(いただいたもの)のアサツキ巻、豆腐と大豆のハンバーグ、そして味噌汁。
「ぜんぶ大豆だ!」「全部おいしい!」と子どもたちも大喜びでした。