はじめての農家入り
4月22日は美麻学園、23日は八坂学園の農家対面式を行いました。今年は、参観日や修学旅行の日程で八坂美麻分かれてのアットホームな対面式となりました。
この日まで、誰がどの農家さんへ御世話になるか、誰も知りません。
数日前から、継続生などは誰がどこの農家さん宅へ御世話になるか予想を立てたりと、そわそわ、どきどきしながらこの日を迎えました。
子どもたちは、名前を呼ばれると大きな声で返事をし、1人1人前へ出て農家さんと固い握手を交わしました。
すべての荷物を農家さん宅へ運びます。
入園から約3週間、集団生活や長い通学路など、新入園生にとっては慣れないことの連続だったことと思いますが、少しずつ継続生から習いながら基本的な生活習慣や、お互いに気持ちよく生活するための約束事などを身につけてきました。
年間約140日間、地域のホームステイ家庭(通称:農家)でお世話になることで、この地域で暮らす人々の知恵や文化を学び、多様な家庭の価値観に触れながら「家族」として過ごすことは、子どもたちにとって大きな教育的価値があるものとなります。
農家さんを「父さん」「母さん」と呼び、2?5人の兄弟姉妹で生活する「農家活動」がスタートしました。
次にセンターに戻るのは5月3日。この日から2泊3日で親子行事が行われます。1ヶ月ぶりの親子対面を、子も親も心待ちにしています。
畑おこし・味噌玉づくり
・17日(日)
晴れて暖かな日となりました。この日は、田畑の作業と味噌玉作りをしました。
楽しい活動もあれば、田畑を耕し、日々の食べ物を作る労働体験の活動もあります。土で汚れたり、鍬(くわ)を振るのも決して楽な作業ではありませんが、皆で力を合わせてセンターの上の畑を耕す体験をしました。
午後は味噌玉づくり。
味噌作りには大豆を発酵させるために麹をたくさん使います。この地域には、煮てすりつぶした大豆をソフトボール大に丸めて約2週間程度、日影に置いて自然の菌をつけて発酵を助けることで、高価な麹を節約していました。センターでも先人に倣い、この方法で味噌を作ります。
味噌すり機で大豆を潰します。人力です!
潰した大豆を丸めます。
作業終了!班毎に作業をローテーションしながら1時間程度で大豆70kgを味噌玉にしました。
ゴールデンウィークには親子で味噌玉を潰して塩・麹・水と混ぜて寝かせる"味噌仕込み"を行う予定です!
茶碗づくり・はじめての太鼓練習
入園のつどいから早くも10日が過ぎ、みんなで一緒に遊ぶ姿も増えてセンターの中は一層賑やかになってきました。
・15日(土)
午前中、隣町の池田町会染にある相道寺焼きを訪ね、陶芸家の先生の指導のもと、一年間使う「自分の茶碗」を作りました。
まずは先生に作り方を教わります。
ろくろの上で粘土の塊を自分の手ひとつで茶碗の形に成形していきます。特に新入園の子は苦戦する子が多かったですが、近くの子と「なんだか曲がってきてるよ!」「その絵いいね!」と各々の茶碗の話をしながら、制作を楽しんでいる様子でした。
2時間後、時折先生の手を借りながらも、無事全員がお茶碗の形に仕上げることができました。焼き上がりは6月末頃の予定だそうです。
午後はアルプススケッチをする予定でしたが、曇りで北アルプスが見えなかったので予定を変更して、大町市街と八坂の中間の山裾にある、山岳博物館へ行きました。
隣の動物園には保護されたカモシカ・雷鳥をはじめ、この地域に生息する動物たちがいます。写真はフクロウ。
触れることができるはく製に大喜びの子も。
夜は新入園生にとって初めての太鼓練習!まずは股割りをして、腰を低くした基本姿勢から入りました。
1時間弱の練習でしたが、班員同士で教え合って太鼓を叩いている姿がありました。生活習慣も、太鼓もこれからどんどん身に付いていく時期です!
キノコの植菌・水源地見学などなど
4月9日(日)
午前中は食文化体験として、キノコの植菌をしました。ナラの原木にドリルで穴を開け、そこへシイタケの菌が付いたコマを打ち込み、センターの裏山に借り伏せをして、作業を終えました。
引き続き、センターで利用している水が湧き出ている水源地の見学へ。子どもたちは滾々と湧き出る、ひんやりとした水に触れ、「大自然の不思議」を感じていました。
午後には、子どもたちに希望をとり、釣り、つくし飴作り、外遊びなどに分かれて活動しました。
入浴前には足型取り。3月にもう一度足型を取り、1年間通学路を歩いた足と比較します!
夜には、入園後から引き続き、身につけるべき基本的な生活習慣や、みんながお互い気持ちよく生活するための約束事などのミーティングが続いています。
・4月10日(月)
今朝の美麻の通学路の様子。朝はマイナス気温でしたが、晴れ渡り山々がきれいに見えました。
昨年と歩く場所が変わり、今年はセンターから八坂と美麻の境の峠まで約2.5kmを歩いています。曲がりや勾配が多く、道の両脇に木々が生い茂る自然溢れる道です。「通学路が前よりたのしくなった!」と子どもたちは元気に登校しています。
みんなで鷹狩山ハイク
今年度最初の野外活動は、鷹狩山ハイク!
天気は曇り空でしたが、気温が高く活動しやすい一日でした。
「いいにおいのするもの」「赤い木の実」等、お題に合った自然のものを見つける、宝探しビンゴをしながら、鷹狩山の登山道を登りました。子どもたちは舗装のない道や、立ち並ぶ木々に興味を持つ子も多かったようです。
木立の間を走ったり、虫の繭の抜け殻を見つけたりと、すっかり山の子です。
標高925mのセンターから1時間半程度で1164mの山頂に到着。天気が良いと北アルプスが良く見えるのですが、今日は雲に覆われていました。それでも、眼下の大町市街と壁のようにそびえる山々の景色には「すごーい!」と感嘆の声が聞こえました。
頂上では昼食を食べたり、小学生も中学生も一緒になって鬼ごっこをして、思う存分体を動かし汗をかきました。
帰り道は、落ち葉でフカフカの歩道。一気に駆け降りたい子と、ゆっくりとおしゃべりや自然観察をしながら降りたい人に分かれて下山しました。子どもたちは「疲れたけど楽しかった!」と満足げな表情を浮かべてセンターに帰ってきました。
入園のつどい後、学校は2日間登校しましたが、下校後にはさっそくこんな姿も。
春の息吹を五感で感じながら、山村留学生活はスタートしています!
平成29年度がスタートしました!
八坂学園42期・美麻学園26期入園のつどいを、4月5日(水)に開催しました。今年度は八坂学園17名・美麻学園15名の合わせて32名がお世話になります。よろしくお願い致します。
つどいの始めには、学園生はダンコウバイ(檀香梅)の花を手に入場し、わらぐつに差していきます。これには「来年の春に、またダンコウバイの花が咲くまで、1つの大きな家族として、共に歩いていこう。」という意味が込められています。
大町市長をはじめ、地域の方々を来賓にお招きし、子どもたちが、1人1人抱負を発表し、自然豊かな八坂・美麻の地で1年間親元を離れての生活を頑張ることを誓いました。
夜には、全員で集まって生活についてのミーティング。指導員から、センターでの1日の流れの説明を受けたり、最上級生の中3生たちから布団の敷き方を教わったりして、一日を終えました。
6日には始業式・入学式があり、学校生活も始まりました。