穴の開いた靴
「あの、靴に穴が開いてしまったので、新しい靴を買ってください」
山村留学生は、毎日の登下校で往復約10kmを歩きます。
雨の日もあれば、雪の日もあり、強風や大雪の日も自分の足で歩きます。
車がなかった時代や、バス通学などになる前は、当たり前のことだったかもしれません。
しかし、現在は歩く環境を作ってあげないと歩くことが難しい状態。
修園生(山村留学OB・OG)に一番印象に残っていることを聞くと、「通学路のこと」
という回答が多くの割合を占めています。
こんな靴の状態になるまで歩き通す体験も、本当に貴重な体験ですね。
翌日、指導者が大町市で新しい靴を買ってくると、「明日から快適に歩ける!」と
喜んでいましたが、翌日の朝、天気予報は雨。
「今日は残念」とつぶやき、長靴で登校していきました。
田畑の草とり
6月20日。
朝のセンターの田んぼ(写真左側)です。そして、 草とり後。
いかがでしょう?違いが分かりますか?
あっという間に雑草が生長し、芝生のようになってしまった田んぼ。
八坂中学生は部活等でいませんでしたが、残る八坂小、美麻小中学生で草とりをしました。
除草剤を入れていないセンターの田んぼには、オタマジャクシやシマヘビなど生き物が
たくさん。それらの生き物を追いかけながらも、たくさんの種類の雑草も引き抜きました。
「どれが稲?」「これは雑草?」と、なかなか判別も難しい状態で、たまに間違えながらも
どんどん前に進んでいきました。
気温28℃の中の作業。この日の農作業は「草をとり終えるまで」。
「どれくらやれば終わりなの?」
「草がなくなれば終わりだよ」
食べ物を作るという事は大変なこと。
中学生が少なく、作業は大変でしたが、大事なことを身体で実感できた日でした。
次回の草とりは夏休み前あたりに・・・。
季節の山菜
こんなものも子どもたちの食卓へ。
根曲がり竹は天ぷら、味噌汁、茹でてマヨネーズ和え、炒め物などなど。
ミズは茎の部分がシャキシャキとした歯ごたえ。根に近い部分はすりつぶして味噌と混ぜトロロご飯など。
19日からまたセンターでの生活が始まるので、この贅沢な食材も子どもたちの
食卓にあがります。
通学合宿
6月2日〜6月6日までの4泊5日で、八坂小学校5年生と、美麻小学校4〜6年生
を対象とした通学合宿が行われました。(八坂美麻地域の公民館主催)
通学合宿とは、その名のとおり、山留センターから学校に登校し、下校後や週末は山留生の生活や
活動を一緒に体験するもの。今年の参加者は八坂9名・美麻8名・計17名。
この期間中は大人も含めると総勢約60人の大所帯となりました。
八坂は約4km、美麻は約5kmの通学路を、山留生と一緒に歩きます。
朝5:55に起床し、布団をたたみ、顔を洗い、外に出て朝日を浴びながらラジオ体操。大きな声で
遠くの山々へ朝のあいさつをし、指導員から自然のお話を聞きます。
山の恵み
「自分たちがどれだけ素晴らしい場所に住んでいるのかを感じること」
八坂村内の鷹狩山に登り見る景色や、センターから見下ろすと広がる棚田と山並みの景色。
登下校中の道端でのあらゆる自然からの贈り物。
これらが、春夏秋冬それぞれにおいて、色を変え形を変え、まるで万華鏡のような変化を
見せながら目の前に広がります。
そんな自然からの贈り物を日々感じながら、子どもたちには、自然に感謝し、農作業や
畑作業、食文化体験や季節の山の恵みとの付き合いを通じて、「生きるために食べる」
という価値観を、1年かけてじっくりと実感・体感しながら身につけて欲しいと願っています。
さて、この季節、自然からの贈り物を感じるものといえば、やはり「山菜」。
5月の山菜キャンプでの1コマです。
たらの芽、コシアブラ、ウドの天ぷら・コゴミのマヨネーズ和え・ウドの酢味噌和え・ウドのキンピラ
山菜味噌汁・たらの芽の胡麻和え・・・・
なんと贅沢なキャンプでしょう・・・。