「will」
山村留学指導員 有坂 亮祐
「Will you ~、ってなんて意味だっけ?」
中学生が英語の勉強をしているときに耳にすることがある。「will」は未来形の文に出てくる単語だ。意味を調べると、「意志」と出てくる。
人をおもんぱかる
山村留学指導員 有坂亮祐
正月が明けて、窓の外を見ると雪がちらついていることが多い。大川にいると、雪のない地方からきた人は、道路が真っ白になっているのを見て、「あぁ、雪が積もっている」と感慨深そうに言う。薄っすら積もる程度だと、「まだまだ積もるぞ」と大川の人は返す。雪が降る地方に住んでいる人と、住んでいない人とで感じ方が分かれる場面だ。自分が今まで経験してきたことが比較対象になっているので、同じ景色を見ても、同じような気持ちになるとは限らない。
動機
山村留学指導員 有坂亮祐
木の葉が落ちる。上から下に向かって。しかし大川村では下に落ちていくはずの木の葉が上に昇っていくことがある。ダム湖や谷間を強風が吹くと、崖にぶつかり、風が山を登っていく。その時に風が木の葉を巻き上げて上に昇っていくのだ。通常とは逆の動きをする落ち葉はいつ見ても新鮮な気分になる。
秋
山村留学指導員 有坂亮祐
秋が深まるこの季節にも、毎朝、留学生と外にでて朝の集いを行っている。毎日見ているのに、山の色は変化しているように感じない。しかし、それが一週間、一ヶ月と経ったとき、山の色は明らかに変わっているのだ。一日一日見ていても感じ取れない変化の積み重ねが、人が驚くような変化につながる。毎日接していて、子どもたちに成長がないように感じるときがあっても、裏ではしっかりと変化している。赤く染まった葉は、子どもたちと重なって見える。
「大人になりたい」
山村留学指導員 有坂亮祐
年齢的に大人になった今、その気持ちがさらに強くなっていく。「大人」というのは単に年齢による枠組み以外の意味合いを持つことがある。
個人的な話になるが、私にとっての大人の定義は、感情のコントロールができ、他者の視点で物事を考えられ、思いやることができる。しかし、必要な時には自分の考え方を相手に不快感なく、かつ齟齬もなく伝えることができる......、など人としての理想を全て詰め込んだ人物像が、私がイメージする大人だ。
いつ頃から、そんな大人像が私の中にあったのかはわからないが、大学生になる頃にはすでに存在していたように思う。
自分がうまくできないことがあったとき、「大人になれたらなぁ」という単語がよく頭の中をめぐる。
「外へ出る」
山村留学指導員 有坂亮祐
今まで、ヒグラシが鳴いていたのに、いつのまにかツクツクボウシの鳴き声が混ざっている。夜も冷え込むようになり、夏が終わりを告げようとしている。
今年はコロナウイルスの影響で、育てる会の夏行事がなく、子どもがいない夏休みをのんびりと過ごしていた。厳密に言うと、夏行事がなかったのは去年からのことであるし、のんびりと過ごしたと言っても、村の行事の手伝いをしながら過ごす八月だった。
育てる会であるよりも
山村留学指導員 有坂亮祐
梅雨の終わりごろから、ひぐらしがなきはじめ、気づいたころにはツクツクボウシがなき始めている。うだるような暑さの八月上旬。このころからすでに夏の終わりを感じさせる声だった。
新年が明けて早八か月。ブログの一件(「育てる」通巻第635号指導者だより参照)があってから、村の人と関わる機会が劇的に増えた。いや、意図的に積極的にかかわるようにした、といったほうが正しいかもしれない。
関わり
山村留学指導員 有坂亮祐
前号(通巻第635号)で、人のために尽くすことの大切さを知ったことについて書きました。今回はその続きの話になります。
遠回り
山村留学指導員 有坂亮祐
大川村のブログは毎日更新している。以前は不定期更新で、週に一回あるかないかという頻度だった。ブログに対して、思い入れもなく、読んでくれている人の顔を想像して書くことなどなかった。
しかし、留学生の保護者からは「いつも、ブログを上げてくださりありがとうございます」と、言われることが多かった。大したことをしていないのに、勘違いした高揚感が生まれたときもある。
大川赴任四年目
山村留学指導員 有坂亮祐
今年も大川ではミツマタの黄色の花が咲いた。
例年、大川村では新規に山村留学を始める子の割合が非常に少ない(継続生が多い)が、今年は半分近くが新規で留学を始める子たちだった。メンバーが変わり、留学センターの雰囲気も去年とは違ったものになる。どう違うか、と問われると、「落ち着いた」という言葉が真っ先に頭に浮かぶ。