「共生」
2024年09月
くらぶち英語村
くらぶち英語村
山村留学指導員 加賀美嶺
例年に比べ少し長かった夏休みも終わりを迎え、くらぶち英語村も全員元気に、二学期の生活をスタートしています。夏休み明け、草の伸び切った畑に子どもたちを連れていくと、熟れすぎて落ちてしまったトマトや、黄色くなったキュウリがちらほら。その中に、明らかに動物に食い荒らされている野菜が目立ちました。今年度は、特に動物による畑の食い荒らしがひどく、秋に収穫するはずの野菜が一学期の時点で掘り返されてしまうこともたびたびありました。夏休み明けには、「今年はあまり野菜取れなかったな」と漏らす子も。さらに、一学期には近くの神社に猿を見に行き、追いかけられて転び、怪我をして帰ってきた子もいました。山村留学の中で、自然と絶妙な距離感で付き合っていくことの大切さを改めて実感した出来事でした。
農作物を荒らしてくる動物たちに対して、学園生は恨み言を並べます。その言葉を聞くたびに、人間の、自然への畏怖の念の薄れを感じずにはいられません。本来、自然の前に人間は無力であり、自然の脅威の前には太刀打ちできないということを普段の生活を通して学んでほしいと思います。
もちろん、自然とは、常に私たちの前に壁として立ちはだかるものではありません。四季折々の、五感で味わう喜びを私たちに与えてくれます。春は山菜、夏は川遊び、秋は紅葉、冬は星空。子どもたちには、その厳しさと豊かさ、両方の面を味わい、楽しみ、学んでほしいと感じます。
英語村では、九月に、尾瀬国立公園に行きます。人間の手が付けられていない雄大な自然を見て、子どもたちが何を感じるのか、何を感じさせてあげられるのか、今から楽しみで仕方ありません。
写真:生き残ったスイカ