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『好き嫌いの克服』

山村留学指導員 横山みのり

 今年も大岡で夏の短期活動が始まり、都会から多くの子ども達が集まった。センターの畑では茄子やトマトなどの夏野菜が豊作となり、短期活動中も、毎日採れたての野菜が食卓を彩ってくれた。

 しかし、今回参加した子ども達の中には野菜を食べるのが苦手な子が数人いた。その中でも、色や見た目で嫌がってしまう「食わず嫌い」の子が多いように感じた。
 そんな子ども達の食事風景を見ていると、私はリーダーごとに食事中の班の様子が違うことに気が付いた。野菜が食べられない子に対して「好き嫌いせず、ちゃんと食べなきゃ駄目だよ。」と伝えるリーダーと、「こんなに美味しい野菜初めて食べた!○○君も食べてごらんよ!」と声をかけるリーダーとでは、子ども達の食の進みが全く違ったのである。前者の声かけでは「食べたくない!」と意固地になってしまう子が多い中、後者の声かけでは、子ども達が「少しなら食べてみよう。」と、苦手な食材でも、自ら口にするようになっていた。
 私はその様子を見て、子ども達に食べる意欲を持ってもらう為には、大人が楽しみながら食べる姿を見せ、その物の良さを伝えることが大切なのだと感じ、翌日からはマイナスではなく、プラスの声かけをするよう、各リーダーとスタッフ達にお願いした。
 すると、食事を半分も食べられなかった子が、最終日にはお替りをするようになり、好き嫌いを克服できた子も多くみられた。
 リーダーたちに話を聞くと、同じ班の子達も「これ美味しいよ。」と一緒に声かけをしてくれたのだという。野菜嫌いな子ども達は、家族以外の子達と楽しく食卓を囲むことで、食べることへの苦手意識が薄れていったのだそうだ。
 私はこれからも子ども達が心から楽しみ、食べることに興味を持てる環境づくりをしていきたいと思う。

「受け入れ農家さん宅へ向かう子どもたち」
写真:受け入れ農家さん宅へ向かう子どもたち















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