「いってらっしゃい」
山村留学指導員 沼澤佳明奈
つい先日、修園生がセンターに帰ってきた。中3で修園した彼女は今年から高校生。服装や髪型はおしゃれになり、スマホを手にする姿はまさに都会っ子だった。そんな見た目とは裏腹に、山留生の作法はしっかりと染みついている。
「いってきました?。」と、言って玄関を抜けると、勝手知ったる足取りで3階に上がり、学園生とお互いの近況報告で盛り上がっていた。夕食後は学園生に混ざって、掃除、布団敷き、演目練習。「当時はもっと体力があったのに、今はきつい!」と、笑う彼女の演目は相変わらず「さすが。」と感じるものがあった。
みんなのアイドル
山村留学指導員 西村萌
今年の一学期、売木学園に新たな仲間が加わり、学園生たちにとってアイドル的な存在になっています。きっかけは昨年度の修園生の保護者から寄贈していただいた孵卵器(ふらんき)です。学園で飼育しているチャボや学園生が学校から持ち帰ってきたヒメウズラの卵を孵卵器に入れていたところ、四羽の雛(ひな)が孵(かえ)りました。一つ一つの卵には、親鳥が生んだと思われる日付を書き込んでおき、孵化する予定日が近づいてくると「そろそろかなぁ」と卵の殻が割れる時を心待ちにする雰囲気が学園内に漂っていました。
『好き嫌いの克服』
山村留学指導員 横山みのり
今年も大岡で夏の短期活動が始まり、都会から多くの子ども達が集まった。センターの畑では茄子やトマトなどの夏野菜が豊作となり、短期活動中も、毎日採れたての野菜が食卓を彩ってくれた。
地域を知ること
山村留学指導員 吉澤かおり
この四月より、学生時代を除けば四〇年ほど住んでいた長野を離れ島根にやってきた。長野とはまた違った環境に、慣れないことも多く戸惑いもあるが、新しい発見などもあってワクワク楽しい。
「共生」
山村留学指導員 加賀美嶺
例年に比べ少し長かった夏休みも終わりを迎え、くらぶち英語村も全員元気に、二学期の生活をスタートしています。夏休み明け、草の伸び切った畑に子どもたちを連れていくと、熟れすぎて落ちてしまったトマトや、黄色くなったキュウリがちらほら。その中に、明らかに動物に食い荒らされている野菜が目立ちました。今年度は、特に動物による畑の食い荒らしがひどく、秋に収穫するはずの野菜が一学期の時点で掘り返されてしまうこともたびたびありました。夏休み明けには、「今年はあまり野菜取れなかったな」と漏らす子も。さらに、一学期には近くの神社に猿を見に行き、追いかけられて転び、怪我をして帰ってきた子もいました。山村留学の中で、自然と絶妙な距離感で付き合っていくことの大切さを改めて実感した出来事でした。
日常と非日常
山村留学指導員 松浦実穂
利賀には、世界的に有名なSCOTという劇団の拠点がある。夏の終わりには、SCOTサマーシーズンとして、様々な演出家や演者による演劇が上演される。毎年の目玉である野外劇場での花火劇「世界の果てからこんにちは?」を留学生と観覧した。