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山留生らしい場面

山村留学指導員 浅平泰地

 日々の暮らしのなかで学園生を見ていると、山留生らしいな、と感じる場面が時折ある。特に野外でのモノづくりに熱中する姿や自然に対する姿勢は、これでこそ山留生! と思わずにはいられない。そのような姿に触れると、こちらも何とも言えず嬉しくてたまらない気持ちになるものだ。これまで一学期に目に留まった山留生の姿をいくつか紹介したい。

 ?天然の遊具...裏山キャンプでの一幕。撤収前、早く片付けが終わった子たちはわずかに時間を持て余す。目を付けたのはかずら(つる植物)。ちょうどU字に垂れ下がった蔓(つる)を見つけ、それをブランコにして遊ぶ。まっすぐ下がった蔓を登り棒のようにするすると登っていく。30分足らずの暇に見つけた山の遊びだった。
 ?鍛冶屋・古くぎブーム...裏のピザ窯を炉にし、熱した古くぎを打ってペーパーナイフを作ることが流行した。材料になる古くぎを求めてセンターの周りをくまなくさがし、毎日のように集めた釘(くぎ)を熱して打っては、上手にナイフを作り上げていた。
 ?野草のブーケ...新入生に、押し花に熱をあげている子がいた。作った押し花で栞(しおり)を作り、誕生日の子にプレゼントしたりしていた。今度はその子が、見事な色彩のドライフラワーでブーケを作っていた。まるで売り物のようだったので、てっきり人から貰(もら)ったものと思っていたら、自分で集めて干したものだそうだ。青はセンターのアジサイ、ピンクは農家さん宅の庭で、ほかにもよく見れば見覚えのある野草の組み合わせでできていて、とても驚かされた。
 こうした生活の中での自然体験に、活動とは違った素朴な輝きが隠れているように思う。

かずらブランコで遊ぶ学園生たち
写真:かずらブランコで遊ぶ学園生たち















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