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懐かしい子たちとの再会

山村留学指導員 戸田佐和子

 この二か月、不思議と「○月○日頃、売木に行きたいと思ってるんだけど、センターにいる?」という修園生のメールが多かった。山村留学していた時期はまちまち。そのうち、最も後に当時小学校中学年だった子が修園してから約二十年経っているので、最年少でも三十路、他は三十代を生きている。

 都合よく会えた子たちは皆、修園以来の来村ではなかったが、久しぶりの再会は大変懐かしかった。ライフスタイルも様々。単身でワーケーションしに村に数日滞在した子、育児休業中の子、はたまた子育てと仕事を両立しつつ仕事の休みを取って、家族を連れて来た子たちも。ゆっくり話す時間がとれなくても、子どもの頃の面影を残しつつ立派に成長した姿を見られて、時間が一瞬にして巻き戻る感覚を覚え、嬉しい限りだった。修園生の子どもとの初対面や親御さんとの再会にも胸がいっぱいになった。皆、お世話になった受け入れ農家さん宅にはもう挨拶してきたとのこと。
 子どもを連れてきた二人のセンターでの過ごし方は、それぞれ示唆に富むものだった。売木は自身の夏の思い出と重なるという乳児(女児)の母は、食堂でぼーっとしながら夏の気配を感じ、束の間のんびり。元気いっぱいの幼児二人(男児)を育てる逞(たくま)しい母は、一瞬たりとも座ることなく子どものリクエストに応え、和太鼓を打たせたり、近くの渓流で遊ばせたりしていた。
 売木村に山村留学した子たちの心の中には、故郷としての心情が宿っていると思う。帰る場所である売木の空気を吸うと、穏やかな気持ちになり、生命力が増す様。また、売木で十分な原体験を重ねた子が親となり、我が子により良い豊かな体験をさせたいと願っていること等からもそう思える。
 今週末も、二児の母となった三十代の修園生が家族と帰郷する予定だ。

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写真:雨ニモマケズ渓流遊び















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