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子どもに伝える大変さ

山村留学指導員 林穣

 4月から八坂美麻学園で勤めている。幼少期から自然が好きだったため、自然の中で働き、心鎮まる生活が送れることを嬉しく思う。

 6月まで働いた中で、難しく感じることは子どもに何かを伝えることである。特に朝のつどいで苦労している。学園には小3から中3までいるため、下の子に合わせた話をすると、修園生や上の子はすでに知っている話になってしまい、上の子に合わせた話をすると、下の子はよくわからない顔をする。どちらか一方に合わせたやり方では上手くいかず、どうすればいいか悩んでいた。
 そんな悩みを解決するきっかけを作ってくれたのも、子ども達であった。私は大学時代にクマの研究をしていたため、クマに関することを聞いてくることが多い。今年は、全国的にもクマの出没情報が多く、学園付近や通学路でもクマ対策をするよう呼び掛けることが多かった。そんなある日、一人の子どもが不安そうに、「クマ鈴付けたら大丈夫なの?」と聞いてきた。私は、「クマ鈴をつけて、自分自身でもクマがいないか耳を澄ませるんだよ」と答えたが、また別の子は、「クマに会ってもなんとかなるでしょ」と楽観的でいたため、「動物を侮ると痛い目見るぞ」と注意した。
 この時、子ども一人ひとりに合わせた話をしてあげるのがいいと気づいた。それから、子どもごとに合わせた話をするようにし、朝のつどいでも、下の子から継続生まで関心を示せるような話題を、下の子でもわかるように話すことを心がけている。
 今回のように、子どもから学ぶことは多く、子どもと一緒に、自身も成長させてもらっている。今後も子ども達と一緒に成長し、頼られる指導員になりたい。

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写真:茅の輪くぐり















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