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地域の教育力
三瓶こだま学園
山村留学指導員 稲井祐介
四月七日、北は北海道から南は福岡まで、全国から十三名の子どもたちが大田市山村留学センター(以下、「センター」)に参集し、三瓶こだま学園二十一期生の山村留学がスタートしました。翌八日からは、早速学校生活も始まり、地元の子どもたちと一緒に勉学に励んでいます。
この地域の子どもたちが通う北三瓶小中学校では、その豊かな自然を活かして、特色ある教育活動を行っています。そのうちの一つが、?お米学習?。「種籾(たねもみ)まき」、「田植え」、「稲刈り」を行い、収穫したお米で餅つきをして食べる「感謝祭」まで行います。また、センターとPTAが共催し、週末を利用して「田起こし」「代かき」「田車押し」「より(刈った稲を束ねる藁紐(わらひも))作り」といった作業も行います。田んぼの管理やお米を育てて食べるところまでの一貫した体験を行う学校は、全国を見てもなかなかないのではないでしょうか。
そしてさらに素晴らしいのは、これらの活動に大勢の地域の方々が参加されるということ。特に「田植え」や「稲刈り」「感謝祭」には、毎回二十名程度の参加があり、子どもたちに手取り足取り作業の仕方を教えてくださいます。そこで地域の方々との交流が生まれ、子どもたちは、自分たちの学校が地域に開かれ、地域の人たちに支えられているということを肌感覚として感じることができます。こうして育った子どもたちは、きっと自分の学校や故郷を誇りに思うことでしょう。
全校児童生徒が三十名の小さな学校ですが、ここにしかないものをこれからも守っていきたいと思います。
写真:地域の方と一緒に行う学校の田植え