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朝のつどい
八坂美麻学園
山村留学指導員 高橋菜花
この春、私は継続二年目となった。昨年度、共に「山留一年目」として過ごした学園生も「継続生」となり、周りのことをあれこれ気に掛ける様子が見られる。子どもたちのそんな成長を感じながら、自分自身も背筋を伸ばす日々を過ごしている。
さて、そんな私の今年度の目標は「朝のつどいを極めること」だ。私は人前で話すことが苦手で、自然に対する知識も浅い。昨年度の朝のつどいでは、調べた内容を発表するだけで、表面的なことしか自然の話ができなかった。そんな様子を見かねてか、次第に一部の学園生が「今日はちょっと内容が難しかった」とか、「今日の話は、おもしろかったよ」などと、毎回感想を伝えてくれるようになった。子どもは率直に意見を述べてくれるので、自己の振り返りをしやすい。時にはアドバイスをくれることもあり、学園生が日頃からいかに指導員のことを見ているのかを痛感した。そして、私の想像以上に、学園生は朝のつどいでの話を楽しみにしているのだと実感した。
これらの出来事から、段々と私自身の意識も変わっていった。子どもが興味を持つこと、知りたいことは何かを考えるようになった。自分自身も自然のことをもっと知りたいと思うようになった。今の時期は、センターから一歩出るだけで、あちこちに話のネタが転がっている。何について話そうかと考えながらセンター周辺を歩いていると、学園生が声を掛けてきて、そこで新しい発見をしたり、面白い話に発展したりもする。おかげで、外を歩くことがもっと楽しくなった。
季節ごとに様々な自然の変化を楽しめる八坂。朝のつどいで紹介できることは、ほんの一部である。まずは私自身が、八坂をもっと深掘りすることから始めようと思う。
写真:親子で山菜採り