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「子どもを信じる」
くらぶち英語村
山村留学指導員 山崎ひかる
「グッドモーニング!」緊張した面持ちで、高崎駅に集まる親子と挨拶を交わす。週末コースを担当して二年目、毎回変わる子どもたちと二十回近くの活動をしてきた。昨年、この育てる誌を書いたとき、子どもたちの活動にどこまで口を出してどこまで指導するべきか悩んでいた。しかし、一年以上経った今、子どもとの関わり方の中で気付いたことがある。
週末コースでは、ハイキングやキャンプなどの活動を、二十人近くの子どもたちと一泊二日の日程で行う。参加する子は、テント泊をしたり、火を自分で起こしたりしたことがない子がほとんどである。指導者として、子どもたちの安全や危機管理をすることが第一であるが、口を出しすぎると、子どもたちの主体性を妨げてしまうことにもつながる。そこで、今年は子どもたちを信じて見守ることにした。ハイキングで道草をし、みんなのペースについてこられない子がいるときはその子と一緒に道草をし、同じペースで歩いてみる。なかなかつかない火と向き合う子どもたちとは、一緒に考え、できるまで見守る。会話でも同じである。英語の質問にすぐ答えが出なくても、子どもから何か言葉が出るまで待つ。正確性や効率だけを考え、活動を進めていくのは簡単であるが、それでは子どもが自ら発見したり、何かに気付いたりする機会を奪ってしまうことになる。私は子どもの反応や行動を待つということは子どもを信じることでもあると思う。
週末コースとは自然体験の一つのきっかけにすぎない。一日半という短い時間ではあるが、子どもと向き合い、信じてあげられる指導者として今後も子どもと向き合いたい。
画像:指導者に見守られながら調理する子どもたち