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「留学生の海外体験」
くらぶち英語村
山村留学指導員 今野利彦
夏休みを終えて子どもたちが「I'm home!」と言って英語村へ帰ってきた。私が「夏休みはどうだった?」と英語で一人の子どもに聞くと、「アユタヤ遺跡を見てきたよ!」と答えた。彼は、英語村の修了生たち数人とタイを旅行してきたそうだ。タイの旅行について話を聞いていたところ、後ろから「僕はマリーナベイサンズに行ってきた!」と、僕の話を聞いてくれ!と言わんばかりに別の子が割って入ってきた。彼は、シンガポールにある5つ星ホテルに宿泊し、屋上にあるプールから、近未来的な景色を見てきたと話をしてくれた。そんな話をしていると、また別の子が「みんな楽しそうな旅行をしていていいな〜」と加わってきた。「僕は家族と2週間インドへ行って、大変な思いをしてきたよ...」と話し始めた。タージ・マハルなどの美しい世界遺産を見ることはできたけど、ガンジス川に行ったり、宿泊したホテルは蒸し暑くて汚かったり、街はゴミだらけで臭いがきついし空気は悪いし...と、とにかく壮絶な体験をしてきたようだった。
過去に私は十カ国近い国を訪れたことがある。子どもたちの話を聞いていると、当時の体験を思い出す。イランで街中を歩いていたとき、数十人の人たちに後をつけられたり、ベトナムではネズミや虫が歩き回る屋台でご飯を食べたり、バンクーバーでは、一つ裏の路地に入ると薬物を摂取して横たわっている人がいたりと沢山のものを見てきた。
海外への渡航の醍醐味(だいごみ)の一つは、各国の文化の違いにより、様々なものを見たり体験したりできることである。そして、そこから新たな学びを得ることが自分の成長に繋がる。海外に行き、多くのことを経験してきた彼らの姿は以前よりも逞(たくま)しく見える。今後、彼らがどのような国に足を運び、どのように成長を遂げるのかがより一層楽しみだ。
写真:ベトナムの屋台