トップ > 指導者だより > 「この一学期で学んだこと」

指導者だより

« 「味噌作り」 | メイン | 「成長」 »

「この一学期で学んだこと」

山村留学指導員 縄田柊二

 雪が解け、四月に起こした畑にはもう野菜が実をつけた。あっという間に一学期が終わりを迎えようとしている。

 第三期は半数の六人が新入園生だ。この三月に大学を卒業した私と同様に今年の四月にこの利賀村にやって来て新しい生活を始めた。新しい環境へ移るというのは全てが新鮮で面白い一方で、環境に適応するのは時に難しく、時間がかかるものである。例えば小学生の新入園生がホームシックになり部屋で泣いていたり、新入園生と継続生でちょっとした喧嘩(けんか)があったり、日々の生活の忙しさで体調を少し崩す留学生も一部いたりした。それらは生活への慣れで解消したり、指導員が入って話し合いをしたりすることで課題に向き合い、改善してきた。私自身も新しい環境で忙【ルビ:せわ】しなく動き、疲弊してしまうこともあった。しかし、地域の方々や職員同士でコミュニケーションを積極的に取り仕事や環境に慣れていくにつれて、肩の力を抜いて自分のやるべきことをきちんとこなせるようになってきた。
 そうしたことから、留学生にとっても私自身にとっても自己管理が非常に大事だなとつくづく感じる。定期的に、なぜ自分はここにいるのか、ここで何をしたいのか、今の自分の体力、モチベーションはどれくらいで、自分にどれだけの能力があるのか、それらを客観的に観察したうえで行動できると、きっと何かにつまずいたとしても諦めずに前に進むことができるだろう。私自身もそれを念頭に置いて生活しながら、留学生と関わる際には先に挙げた問いを投げかけて一緒に振り返れる時間を作りたいと思う。そして、この一年間で留学生たちと共に大きく成長したい。

入園のつどいの際に撮った集合写真
写真:入園のつどいの際に撮った集合写真















©SODATERUKAI All rights reserved.