« 「この一学期で学んだこと」 | メイン | 「三角食べ指導の根拠とは」 »
「成長」
くらぶち英語村
山村留学指導員 山本彩乃
留学生が英語村へ入村してきて、早いもので四ヶ月を迎えた。倉渕町を思う存分楽しみ、すっかり日焼けした肌に逞(たくま)しさを覚える。きれいだった服装も、今では汚れ跡が見られ、手足には傷跡や虫刺され跡が残っている。それらの跡は、ここではとっておきの勲章だ。彼らが一日一日を目一杯生き、この土地で育った証である。
夏めく時期、卵からかえった生き物は独り立ちしていく。草木はぐんぐんと背を伸ばし生い茂る。そのめまぐるしい成長ぶりは子どもたちと重なる。一日でも共に過ごしていないと、次の日には全く違う姿を見せられる。
彼らが英語村にやってきた当時のことは記憶に新しい。保護者から離れる時でさえ、後引くことなく宿舎の奥へと駆けていった。その後、ホームシックになることはあれども、そういった素振りを大っぴらに見せる様子はない。しかし、授業参観や親子バーベキューで再会するのと話が別だ。普段、英語村では見せないような安心しきった様子で会話をしたり、別れ際に涙を浮かべる子どもたちもいる。
最近は、まだかまだかと待ち続けていた野菜が旬を迎え、自分の手で育てた野菜を実家に送るまでが何よりの楽しみだという。野菜を収穫した時には、嬉しそうに必ず報告してくれる。それは、私にとっても楽しみの一つだ。みんなが夕食にと差し出してくれた野菜は最高に美味しい。
一学期がもうすぐ終わる。はたと気づいた時にはもう一年の三分の一が過ぎようとしている。子どもたちにとっては、なおさらあっという間だろう。
とりあえずやってみる。あちこちに散らばる『面白い』を見つけて手を出してみる。そうして自分の中の好きを沢山増やし、倉渕町で豊かな一年を過ごしてほしい。
写真:野菜の観察をする子どもたち