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「三角食べ指導の根拠とは」
三瓶こだま学園
山村留学指導員 浅平泰地
四人の新入生が加わった今年度は、計七人での生活です。七人いれば七人分の考えや習慣がありますが、特に食事の場ではそれぞれの癖が現れ、これまで習慣を正すよう指導をする事も多々あります。
食事中、一つのおかずばかりを食べる学園生がいます。いわゆるばっかり食べです。私自身、幼い頃から三角食べを指導され、指導員になってからも子どもたちにはそのように指導してきたため、その学園生にも同じように三角食べを促しました。しかしその子はばっかり食べを直そうとしません。理由を聞くと、以前から栄養士の方に、三角食べはしなくてよいとの指導を受けてきたとのこと。そこで改めて三角食べについて調べてみたところ、まず驚いたことがありました。それは三角食べが1970年代の学校給食の指導から生まれたものだということです。70年代を最近と捉えるかは微妙なところですが、私は三角食べが和食文化に由来しもっと古くから存在するものと思い込んでいました。また三角食べという言葉は給食をパン、牛乳、おかずと決まった順に一方通行で食べることを指し、様々なおかずやごはん、汁物を交互に食べる事とは少し異なるニュアンスだったようです。また栄養学的には双方にメリット、デメリットが指摘されており、その学園生がいうように、三角食べに否定的な専門家の意見も存在するようです。
三角食べの是非についてはともかく、日ごろから当たり前のように指導してきたことでも、意外とその起源や意味合いを知らないものだなと気づかされました。暮らしの中で様々な指導をする上で、それらの背景や根拠を、自分の中でもより深めていく必要があると感じた出来事でした。
写真:箱膳での食事 食後の様子