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『失敗から学ぶ』

山村留学指導員 伊藤僚

 山村留学の生活は、親から自立し、自分の力で色々なことに挑戦するため、失敗体験がとても多い。
 この失敗体験から、自分で気づきを得て、「次はこうしよう!」と、さらなる挑戦をしていくことが、自己肯定感や自尊感情に繋がっていく。

 ある学園生の話。2年目を迎えた小学生のSの目標は、
「農家さんに迷惑をかけない」
「嫌なことがあってもいじけない」
というものだ。

 これは、彼が1年目の山村留学で「自分がいじけていろんな人に迷惑をかけてしまった。」ということを自覚し、その失敗体験をもとに自分で立てた目標だ。

 その言葉の通り、2年目になった彼は、自分を変えようと努力した。その結果、母さんに頑張りを認めてもらえたり、活動でくじけそうになっても、なんとかやり切ろうとする姿がたくさん見えてきたり、太鼓の練習で前に出て、1年目の子に教えようとするなどしている。
 とはいえまだまだ小学生。なかなか気持ちが安定せず、不機嫌になっていじけてしまうことも多いし、皆に注意されてしまうことも多いけれど、「1年目の子のお手本になる!」と、張り切る背中には、去年とは違う頼もしさがある。

 自分で挑戦したからこそ、失敗し、そこから気づきを得られた。そんな経験ができる環境があることが、山村留学のいいところだと私は思う。
 学園生たちの周りには、大岡の大自然と、山村留学生活のさまざまな生活・体験活動、そして仲間という試金石が散りばめられている。その環境のなかでゆっくりと、豊かな感性や自分に打ち克つ心を育ててほしいと思う。

活動中の子どもたちの背中
写真:活動中の子どもたちの背中















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