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四十一期スタート

山村留学指導員 戸田佐和子

 ご多分にもれず春の訪れが早かった南信州・売木村に四月五日、四十一期の留学生が集った。小学二年から中学三年までの八名の内訳は、男女四名ずつ、小学生二名・中学生六名、新入園生五名・継続生二名・再入園生一名だ。山村留学生活は四月を節目にループしているわけだが、毎年同じように見えて同じではない。当初から学園全体に漂う空気感の違いを感じた。

 四十一期が始まり早一か月、暦の上では夏となった。桜の開花同様山菜のシーズンインも早かったが、まだまだ霜や低温による農作物への影響に気を揉(も)む時節なのは例年通り。自然はどこかで帳尻を合わせている様だ。
 年齢や生い立ちが異なる留学生たちは、生活の土台や自立の糧となる基本的生活習慣と生活技術を身につけるべく励んでいるが、習得度合いは様々。新入園生も継続生も希望と不安が入り混じったわくわくどきどき状態で新期を迎え、ともすれば不安の方が勝り一人では乗り越えられない壁があるように感じたことが既にあったかもしれない。しかし、目下のところ、助け合い、仲間と一緒ならきっと乗り越えられそうな良い雰囲気を保っている。当初の印象通り、年長の再入園生が周りを明るく照らし、最年少の子は皆に弟のように可愛がられる存在。生活に慣れ、自信をつけ、気持ちにゆとりがでてきた継続生は昨年とは別人のように男女の垣根なく話し、学園の空気感を素敵なものへと変化させている。年端もいかない子がいることで、皆が他人を思いやる優しい気持ちをもち、平穏で屈託なく笑い合う日々。ほのぼのとした穏和な学園の雰囲気を大切にしていきたいと思う。

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写真:「ねこ」で藁と一緒に運ばれる最年少の子















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