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指導者だより

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「味噌作り」

山村留学指導員 沼澤佳明奈

 新年度が始まって早くも一ヶ月が経とうとしている。例年より早く春を迎えた八坂の桜はとうに散り、若葉が盛っている。センターで毎年ゴールデンウイークに行われている味噌仕込みでは、桜の花びらが混ざってしまうため、「桜味噌」と呼ばれるのだが、今年は花びらの混ざる心配はなさそうだ。

 入職2年目を迎え、新たに食文化の活動を担当することになった。食文化の大きな活動の一つが味噌作りだ。味噌作りは4月中の味噌玉作りから始まる。担当になって準備を進めていくと、昨年体験した味噌作りは数ある工程の一部に過ぎなかったことを知った。
 まず大豆を洗いながら傷んだ豆を取り除いた。洗った大豆は水を吸わせるために、一晩水に浸けた。すると翌日、水を吸った大豆が倍以上に膨れ、鍋に収まりきらなくなっていた。話には聞いていたがこれほど増えるのか、と驚きがあった。その夜、膨れた大豆を火にかけて煮始めた。初めの1時間は灰汁(あく)取りに追われ、2時間が過ぎてからは、煮過ぎないように豆を取っては潰し、豆の固さを確認した。初めは固さの違いが分からなかったが、次第に感覚が分かるようになった。簡単に潰せる固さになって、お湯から全ての大豆を揚げたのは夜中0時。ようやく豆の準備ができたのであった。
 昨年は一年目で子どもたちと同じ目線や視点で関わっていた味噌作りも、自分が担当するとなると新たな視点や作業が加わり学びがあった。今回の経験を生かし、特に継続の子達には新たな役割を担当させるなど、より多くを伝えられる活動を展開していきたい。

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写真:完成した味噌玉















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