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「歩いて下校する中学生」
くらぶち英語村
山村留学指導員 今野公彦
冬休みが終わり、くらぶち英語村に賑(にぎ)やかな子どもたちの声が戻ってきた。休暇中の楽しかった思い出を生き生きと話す子どもたちの姿を見て、それぞれが有意義な時間を過ごしたのだろう、と想像してとても嬉しくなった。
くらぶち英語村の5期生で過ごす最後の学期、ひとりひとりにとって、充実した一年の締めくくりになるようにと願うばかりである。
そんな最後の学期、冬の群馬の気候は厳しい。群馬県で有名な「からっ風」は、冷たく乾燥していて、雪は降らずとも外にいると震えるほどの冷たさを感じる。
英語村の中学生は普段は自転車で登下校をしているが、毎年冬は路面凍結の為、歩いて6キロの上り坂を下校している。毎日、向かい風を受けながらどんな天候の日も逞(たくま)しく歩いて下校する中学生を見ていると、子どもたちの大きな成長を感じる。
歩いて帰ってくることを繰り返して足が強くなり、帰宅時間が早くなった子、最初は自転車が良いな、と言っていたけど、歩くのが楽しくなったと言う子、つららや冬芽など、冬ならではの自然探しをする子など、歩くことが、子どもたちに与える心身への影響と自然から得られる気付きは様々で、毎日その様子を見て、歩く時間の大切さを実感している。
その変化の中で特に私が感銘を受けたことがある。それは子どもたちが自主的にゴミ拾いをしながら下校するようになったことだ。ゴミ拾いを始めた中学生の1人になぜ始めたのかを聞くと「自分の人生で何かできる事はないか歩きながら考えていたら、目の前に落ちているゴミを拾って綺麗にすることだと気が付いたんだ。」と答えた。今、自分にできることに気付き、声をかけ合い、率先して行う子どもたちの姿勢に喜びを感じた。
日々、目標に向かって、英語を実践的に学ぶ子どもたち、言語の習得はもちろん、様々な部分で成長している姿を修園の最後の日まで目に焼き付けたいと思う。