「真っ暗」
山村留学指導員 吉澤かおり
収穫祭が終わって、二学期最後のセンター生活は、一年の中でも最も日が短い期間である。夕方もあっという間に陽が落ちるので、子どもたちの「行ってきましたー。」が真っ暗な中から聞こえる。
売木学園四十周年
売木学園学園長 飛矢崎和芳
昭和五八年にスタートした山村留学売木学園は今年四十周年を迎えました。十二月三日には三一期から四十期生と保護者の皆さん、来賓の皆様をお迎えして、この頃にしては盛大に記念式典を開催することができました。
『じぶんたちでつくりあげる』
山村留学指導員 伊藤僚
12月といえばクリスマス会。子どもたちにとっては、みんなで楽しめる絶好の機会だ。大岡ひじり学園で1期生の時から、学園生たちが自分たちの手で企画・準備をしている活動だ。本当にやりたいのかどうか、自分たちで相談して、「今年はこれをやる、これはやらない」と決めて、クリスマス会の準備が始まった。その後は、係分担、メニュー決めや、お楽しみの映画決めを行った。
大人の個人体験
山村留学指導員 稲井祐介
山村留学生は、自分の興味あることに年間を通して取り組み、11月の収穫祭でその成果を発表します。やりたいことに没頭できる幸せな時間であると共に、人前で発表するからにはある程度の成果が求められ、プレッシャーになることもありますが、生活にメリハリをつける意味でも大切な体験です。
「ポテンシャル」
山村留学指導員 加賀美嶺
十二月二十四日、五センチ程の積雪に見舞われながら、英語村通年コースの二学期が終わり、子どもたちは実家に帰省した。英語村で過ごすこの九か月が、子どもたちにとってどれだけ濃密で、充実したものだったのかということは、子どもたちの顔つきを見れば疑う余地はない。夏場までたびたびホームシックで泣いていた子、忙しい留学生活の中で勉強時間が確保できず、周りとの差に怯(おび)えていた子、人間関係に悩まされ、頭を抱えた子...その誰もが人間として成熟し、生きる力を身につけていることに、子どもたちの大きな大きなポテンシャルを感じる毎日である。
「雪と私」
山村留学指導員 邑上貴厚
富山県南砺市利賀村にも、冬がやってきた。
冬は、私の人生において、大きなきっかけをくれた季節だ。長野県で山村留学をしていた私は、白銀の世界というものを初めて体験した。普段は行くことのできない場所でも雪さえ掻(か)き分ければ自由に遊べる...そんな世界に飛び出していけるのが楽しみで仕方がなかった。