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個人体験は苦しい。

山村留学指導員 斉藤夏海

 私が育てる会の活動で最も魅力を感じているもののひとつが個人体験です。が、これがまた大変。指導員にとってだけでなく子どもたちにとってもかなりの負担です。

 最初の難関は三瓶でやりたいことを見つけることです。あっという間に決まってしまう子もいますが、決まらない子は数ヶ月経っても決まりません。大人がいろんな選択肢を見せることはできますがこればっかりは本人が決めるしかありません。その難関をクリアすると次に待ち受けるのは、何をやるか、どうやってやるかを考え動き出すことです。少し情報収集して戦略を立てやり始める。とにかく一歩、何かやってみることで進んでいくのですが、その一歩を踏み出す前に多くの子がここでもまた二の足を踏みます。そして最後は時間との戦いです。やりたいことが見つかって何をすればいいかもわかった時にはすでに収穫祭は目前。普段の生活をこなしながらいかに個人体験の時間を捻出できるか、時間が足りない!と焦る子どもたちです。

 私は今年度四人の子どもの個人体験の担当をしました。立ち止まったり進んだり戻ったりしながらもみんな精一杯取り組んでいました。そんな中で見えたり育まれた一人一人の個性や魅力がたくさんありました。

 個人体験では自分がいる環境でやりたいことを見つけ、方法を考え自分の力で進めていきます。その過程でもっと深めたいことを見つけることもあれば壁にぶつかることもあります。子どもたちはこの先高校や大学に進学したり就職したりすることになります。そんな忙しい毎日の中で+αをしようとするのは大変なことです。それでも自分の意志を持って自分のやりたいことができたらその人にしか送れない充実した毎日になるだろうと思います。敷かれたレールの上をただ歩いていくのではなく、意志を持って自分にしか送れない人生を歩んでいけるのではないでしょうか。















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