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「収穫祭での指導者の役目」

山村留学指導員 谷田怜海

 十月下旬から始まったセンター生活は、収穫祭に向けて準備する日々。私は全体発表の太鼓配置図の作成も担当した。去年の経験から、より全体を把握すべく、太鼓の位置だけでなく、学園生の動きを反映できたらと思い、着替えや小道具の準備など細かな動きまで盛り込んでいった。

 しかし、先輩指導員にその作成した配置図を確認してもらうと、「やりすぎなくていい。子どもたちがメインで作り上げていく収穫祭であって、本当は配置図なしで子供たちが動ければいいから。」とアドバイスをもらった。収穫祭はあくまでも学園生が一から作っていくものであり、指導員はサポートにまわる立場にある。制作過程であまりに指導員が立ち入りすぎてしまっては、学園生たちが指示待ちになってしまい自主的に動けなくなる可能性があるのだ。それでは収穫祭をやる意義を失ってしまいかねない。
 そこで、子どもたちの自主性を促すべく、簡略化した配置図を作成し直した。また学園生の動きに対しても最小限の指示にしようと心掛け、質問されれば答える程度に留めた。すると、子どもたちは配置図を参考に、お互いに声をかけ始めた。特に、演目に出ていない中学生が小学生に積極的に声をかけていた。また不明確な点があれば、私に動きを確認し、やりやすいように自分たちで人員配置を変えることもあった。練習を重ねていくうちに、学園生同士の声掛けは増えていき、小学生同士の「裏に行って準備するぞ!」との声も聞こえてきた。
 当日、私からの声掛けはほとんどなかった。裏方として準備を忘れていないかを確認しながら回ったが、学園生同士で臨機応変に対応していた。子ども達はどんな難題にも真摯に向き合い自分たちだけでやりぬく力がある、そしてだからこそ、指導者として手を差し伸べすぎず、見守る必要があることを実感した機会となった。















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