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個人体験のテーマとの出会い

山村留学指導員 山本将寛

 現在、留学生たちは収穫祭に向けて個人体験を進めている。その姿は様々だが、中にはテーマが決まらず、他の留学生のところをフラフラさまよう留学生の姿があった。しかし、私は「何かやりたいことはないの?」と問うばかりで、具体的にどのような指導をすればよいのか分からなかった。どうしたらその留学生がやりたいことに出会えるのか、そもそも個人体験の根幹になる、やりたい、追い求めたいという気持ちがどのようにして生まれるのか疑問を持った。

 個人体験を進める留学生に感化され、私自身も何かしたいと思っていた。その時期にちょうど手作業での脱穀を体験し、「脱穀から炊飯までひと通り手作業でやってみたい」と興味を持ち、やってみることにした。作業を進めると「先人はほんとにこんなことをやっていたのか?」「うまくやるには何を変えたらいいんだ?」という疑問がいくつも浮かんできた。このとき「あれ、これが個人体験の始まりではないか...?」と思った。
 この一連の流れを振り返ってみると、なんとなく興味を持ったことに手を出してみた結果、経験したからこそ見える世界に触れ、もっと探索したいという気持ちに繋がっていったと考えられる。このことから、留学生が面白そうと思ったことを積み重ね、その中から実際に何かをやってみて、より興味を持ったことをテーマとして選択できるようにサポートしていくことが個人体験の指導に必要なことなのではないか。初めに書いた留学生にはただ問うだけではなく、興味を刺激する話や体験を提供すること、実際に何かをやってみるよう促すことが必要だったのかもしれない。
 留学生が多くの時間を費やす個人体験では、進捗するにつれ留学生の嬉々とした様子を見ることができる。また、地元の人に教わったり、地元の資材を使ったり、地元の自然を体感したり、「利賀村でこんなことをしたんだ」と誇れる経験ができ、それが利賀村に居た証にもなるため、個人体験活動に魅力を感じる今日この頃である。















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