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「英語村のお花」

山村留学指導員 大嶋しおり

「I'm home !」「welcome back!」
「なんかいい匂いがする?。金木犀?」自転車に乗って帰ってきた留学生が英語村の玄関に入ってきて言った。九月も終わりの頃、英語村の玄関の花瓶には金木犀(きんもくせい)と銀木犀が飾られ、秋を感じる甘い香りが漂っていた。

 英語村の玄関、ロビー、トイレ...みんなが集う場所、使う場所には、一輪挿しや立派な花瓶があり、季節のお花が飾られている。花瓶もお花も、英語村の清掃に来てくれる地域の方が持ってきてくれている。日々何気なく、目に入ってくるこのお花、英語村の建物に季節の彩りと香りを運んでくれる、一年を通して私たち指導員と留学生の生活を豊かにしてくれる、大きな存在だ。飾られているお花は、倉渕のお庭で育てられているもの。フラワーショップの花とはまた違って、季節の色と香りが濃い。春には、梅の花、暖かくなると葉桜の枝や瑞々(みずみず)しい新緑の枝。時に、じゃがいもの花やナスの花が飾られている。夏はタチアオイやガマの穂が堂々と。秋が深まると柿や柚子がついた枝が飾られる。ハロウィンの頃には、フォックスフェイスという黄色い実が雰囲気を誘う。

 ある日、道端でその清掃の方に会った。「あの花、きれいだね?」と一緒にピンクと白の大きな花を見て、後日、酔芙蓉(すいふよう)という花だと教えてくれた。英語村の花に、花好きな方の思いが込められていることを改めて感じた瞬間だった。日々、喜んで持ってきてくれるお花だが、英語村に7?8つある花瓶を一年中彩ることは、なかなかできることではない。

 私は、季節の移り変わりに気づかされ、花の種類や飾り方の意外性に新しい発見があり、新しい花が来る度に心が躍る。人が運んできている思いのある自然は、自分で発見するものとは、また違う。

 留学生も「あ、綺麗」「かわいい」「秋だなぁ」花をみて気づきがある。そんな気づきの積み重ねが、英語村の留学生活を色鮮やかにさせているのだろう。















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