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「Learn from mistakes 失敗から学ぶ」
くらぶち英語村
山村留学指導員 村田宗一郎
私が育てる会の指導員として働き始め、早くも半年がたとうとしている。働き始める前、私は子どもたちにどのように接するべきなのか悩んでいた。指導員とはいったいどういうものなのか考えていた。
四月、英語村での生活をスタートし、すぐのことだった。子どもが火起こしをしたいとお願いしてきた。私と先輩職員二人で子どもを見守っていた。子どもたちは五本のマッチを与えられ、限りのある中で火を起こさなければならなかった。当然子どもたちは火のおこし方など分からず大きな薪にマッチで火を付けようとしていた。湿った落ち葉を集め、火をつけようとしていた。私はそれを見ながら心の中で、なぜそれはうまくいかない、こうすれば火が付くと教えないのだろうかと疑問を覚えていた。マッチが残り三本ほどになった頃、ある子供が、「マッチを使う前にどうしたら火が付くか考えよう」と言った。そこから子どもたちはいろいろな種類の木や葉を集めこれは燃えやすい、これは燃えないなど話し合いを始めた。結局その日は火を起こすことはできず、失敗に終わった。
もし私が正しいやり方を教えていたとしたら、子どもたち同士の話し合いや、記憶に残る体験にはなっていなかったのでは無いか。
失敗を重ねたからこそ自分たちで考え、知恵を出し、共有し、価値のある時間・体験になったのだと感じた。
半年間の中で子どもが失敗するところを何回も見てきた。中には泣いてしまう子や、挫折しそうになってしまう子もいた。それでも悔しいと思い自分の力で考えることで最終的には乗り越えていた。この失敗から学ぶ過程こそが最も重要なのではないかと感じた。私は指導員として子どもに失敗できる機会を与え、それを学びへと変えていく手助けをしていきたい。また、失敗は決して悪いものではないこと、恥ずかしい、悔しいかもしれないが、それを力に変えられることを伝えていきたい。