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個人体験
八坂美麻学園
山村留学指導員 吉澤かおり
二学期に入り、いよいよ子どもたちの個人体験も本格的に始まってきた。ここ八坂美麻でしかできない、楽しいこと、やりたいことをそれぞれが見つけて取り組むのが個人体験だが、今年も様々なテーマで子どもたちが取り組んでいる。指導員も子ども一人ひとりに担当がつき、その子どもたちをサポートしながら一緒に取り組んでいるが、私自身、この個人体験が大変でもあるが、いつも新しい発見があり楽しませてもらっている。
ところで、最近ある修園生の話を耳にした。その修園生は、一五年前の学園生だが、最近「陶芸家」になったという。私は、その話を聞いて「あれっ?」と思った。なぜかというと、その修園生が中二の時に取り組んでいた個人体験のテーマは「焼き物」だったからだ。思わず久しぶりに連絡をしてみた。すると、本当に陶芸をやっていて、「個人体験もきっかけ?」と聞くと、「それもあって・・・」と返事が返ってきた。なんか嬉しくなった。
そういえば、電車好きで大糸線に興味を持ち調べていた子は、今、新幹線の運転手をしているという話も聞いているし、薬草を見つけ、「自分で薬を作って病気を治す。」という個人体験をしていた子が、薬学部に入り、大学の勉強にと八坂に来て薬草を見つけていた子もいた。小学校四年生の子で、「自然のもので笛を作ってみた。」という個人体験をやった子は、その後中学からフルートを始め、今でも音大でフルートを演奏しているという。
ここで体験したことが、全てにおいてこの先の人生に大きく関わってくるわけではないが、人生を大きく左右するきっかけになっている姿を見ていると、何か嬉しい気持ちになる。今、取り組んでいる個人体験もそんなきっかけになることもあるのかなと思いながら、今年も楽しい個人体験をやろうと思う。