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「白山登山」

山村留学指導員 邑上貴厚

 先日、学園登山の活動として、石川県、岐阜県、福井県の三県にまたがる標高2702mの「白山」へ登る登山活動を、1泊2日の行程で行った。
 昨年度から指導員間で、下見を行い、「こうしたダイナミックな活動もやりたいよね。」と温めてきた活動だった。

 留学生が帰園する前日、再度下見を行った。刺すような強い日差しが照りつける快晴の中での下見は、「この自然の雄大さや荘厳さはきっと子どもたちの心になにか語りかけてくれるはずだ。」と私に確信を抱かせた。
 コロナの感染が拡大し続けている背景を考えると、実施すべきかどうか悩み抜いたが、最後に背中を押されたような気がした。
 8月27日、活動当日を迎えた。天気は曇り。快晴とはいかないまでも、午後からは晴れ予報が出ていた。天気図から考えても大きく崩れることはなさそうだと判断し、いざ登山口へ。
 記録係の私は、子どもたちより少し先回りしてカメラを構える。
 時折小雨に降られながらも、尾根を歩いてくる子どもたちからは、「ヤッホー!!」と楽しそうな声が響き渡る。
 6時間かけて山小屋へ到着すると、今までの曇り空は嘘のように、晴れ間が顔を覗かせた。夕食までの限られた自由時間に、私は希望があった中学生男子と共に山小屋近辺の散策へと繰り出した。
 「すごい!こんな場所初めてだ。」「日本じゃないみたいだ。」「きてよかった!」と興奮気味に景色を味わう姿が印象的だった。
 翌日は全員で山頂を踏んだ。あいにくの空模様で、壮大な景色を見ることは叶わなかったが、無事に活動を終えることができた。
 コロナ禍によって私たちが翻弄されてからはや2年。こうした大掛かりな活動は軒並み自粛を余儀なくされてきた。今回の活動を通して、自分の中で忘れかけていたことが、目覚めた気がした。
 完全に元のように、とはいかないまでも、1歩ずつ前に進まなくてはと思うばかりだ。















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