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「初めての同窓会」

山村留学指導員 主代望都

 今年、英語村は五年目にして初の同窓会を開催した。一期生から五期生までの子ども達が一堂に会し、キャンプを行ったのだ。無論、様々な理由から全員が揃(そろ)うことはなかったが、それでも大勢の子ども達と保護者が参加してくれた。

 英語村の玄関に子ども達が入ってきた瞬間、不思議なことに自分の精神状態も昔に引き戻されるように感じた。懐かしい顔ぶれを目にして、一気に記憶が呼び起されたせいかもしれない。子ども達は皆すっかり成長したが、ふとした瞬間に見せる表情や言動はあまり変わっていなかった。特にいたずらだった子ども達はひとまずなりを潜めてはいるものの、「隙あらば何かしてやろう」という目はそのままで、こちらは始終ひやひやしていた。事実二日目には何人かがすっかり昔の状態に戻っており、懐かしい光景が展開されていた。
 一方で、率先してスタッフを手伝い、できることを積極的に探す子ども達の姿も多く見られた。勿論(もちろん)、昔から自発性や協調性があった子ども達もいたが、そうでなかった子ども達も黙々と作業をしており、何とも言えない感動を覚えた。
 そんなことを思いつつ一年目から五年目までの子たちを見ていると、ふとこれまでの様々な出来事が脳裏に浮かんだ。思い返せばこの五年で多くのシステムが構築され、英語村での生活、活動、英語の型が形成され、安定に繋がった。しかしそれは体制やスタッフだけに依るものでなく、子ども達が積み重ねてきた歴史も大きく影響しているのだ。子どもたちが自ら考え、動き、作り上げてきた伝統やルール、そして先輩たちの後ろ姿が次年度の子ども達に継承され、今の英語村があるのだ。
 子ども達がそんなことを自覚しているかは分からないが、少なくとも彼らにとって英語村は強い思い入れのある、第二の家と呼べる場所なのだろう。今回のように機会があればいつでも訪ねてきてほしいし、今後も子どもたち同士の交流が続いていって欲しいと切に思う。















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