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指導者だより

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学園登山

山村留学指導員 寺崎成希

 学園では、毎年1泊2日の行程で北アルプス登山を行っているが、ここ数年はコロナの影響で実施することができていない。残念ながら今年も宿泊を伴っての登山を断念することとなった。

 登山活動は学園の活動の中でも大きな活動の一つ。山頂へ続く山道、高山植物、山頂が近くなるにつれて表情を変える山肌、山の上に建つ山小屋への宿泊、沈んでゆく太陽、1日の始まりを告げる日の出など、子どもたちの五感をフルに刺激してくれる。車で簡単に行ける場所ではなく、自分の足で登らなければ得られない感動が待っている。途中しんどいことも多い登山だが、仲間と一緒に声を掛け合い、励ましあいながら頂上を目指すことや、登り切った先にある感動を共有することで大きな一体感が生まれるように感じる。

 今年は、山頂に立てなくても、少しでも北アルプスに触れてほしいという思いもあり、白馬村の八方尾根を登った先にある八方池を目指すことに。当日は、曇りで周りは真っ白な霧に覆われ、眺望もない状態でのスタートとなった。天気の回復は期待できないなと半ば諦めながら登っていたが、雲の方へ目をやると、雲が少しずつ切れはじめた。少しずつ街が見えると同時に太陽も少しだけ顔を出した。これには子どもたちも「すごい! 街だ! あんなに小さい!!」「きれい!」と驚きの声が。さらに、足を進めると目線が雲と同じ高さになり、雲と同じ高さにきたことを伝えると、「えー!雲の上!」「そんなに高いところにいるの!」と、歓喜の声。その後は無事に八方池へ到着すると、「山小屋泊まってみたかったなぁ」「山頂行ってみたい!」そんな声も聞こえ、山頂に立った時表すだろう子どもたちの反応や表情に思いを馳(は)せた。次はみんなを山頂に連れて行ってあげたいなと、強く思った活動になった。















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