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「研修日誌」

山村留学指導員 谷田怜海

 四月から入職二年目となった。昨年度の自分自身を振り返ると、今よりもずっと時間はあったが、精神的にはほとんど余裕がなかったように思う。二年目の今年の方が対応する子どもの数も、担当する活動の数も、事務作業量も確実に増えたが、それでも当時は日々の仕事と子どもとの生活に慣れることに必死だった。特に苦戦していたのは毎日書く、研修日誌だった。

 研修日誌は入職一年目の職員が記入する日誌であり、センター期間中は毎日記入することになっている。毎日書くともなると、常にネタを探し続けることになる。目立ちはしないけど褒めてあげたくなるような子どもの言動、季節の流れに伴って変わるセンター周辺の整備、活動前の細かい事前準備と活動後の片付け、先輩方の報連相のやり方やタイミング、様々なことに目を向けようと必死だった。記すべき多様な内容があるからこそ、どんなネタを見つけられるか、できる限り考えながら観察をする生活を送った。週末は活動するだけで疲れることからあまり「ネタ探し」に集中できず、結局行を埋めるだけの作業となってしまうこともあった。それでも、「書かなくてはならない」という制約があったからこそ「ネタ探し」を続けるよう意識し続けた。
 苦労しながらでもその「ネタ探し」を一年間続けると、制約だったものは癖になり、今では生活の一部となった。「ネタ探し」という感覚も今はなくなり、センター内での子どもの言動や指導員の動きだけでなく、全体の動きやスケジュールにも視点を向けられるようになった。視野を広く持って学園全体を観察し、自分がするべきことを考え、動けるようにしておく、という意識も持ち始めた。やらされている感覚の方が強かった研修日誌ではあったが、この職場で働くうえで大事な視点を育ててもらえた。















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