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『わくわくの帰省』

山村留学指導員 伊藤僚

 7月23日の帰省に向けて、早い子は6月から計画を立てていた。
 学園では、帰省を「自分で経路を調べて、一人で帰る」という一つの活動としている。

 センターのロビーには、帰省に合わせた最新の時刻表が2冊置いてあり、空き時間にパラパラとそれをめくっては、子どもたちが計画を立てる姿がある。
 一年目の子は、東京などの主要駅まで直帰の計画を立て、二年目以上の子は、寄り道をしてもよいことになっている。計画を抜粋すると、
・大宮で乗り換え、最寄り駅まで一人で帰る
・上田経由で別所温泉に行き、ジェラートを食べて東京へ帰る
・特急を使わず中央線に乗り、山梨で桃狩りをして東京へ帰る!
・志賀高原経由で、夏のスキー場のリフトに乗って頂上散策をしてから埼玉へ帰る
...などなど、聞いているだけでわくわくするプランが盛りだくさんになった。これを決めるまでには、時刻表で経路を調べ、何度も親に手紙を書いてやり取りをしたり、悩みに悩んで決める姿があった。中には、寄り道のためのバスの乗り換え時間がどうしても長くなってしまい、「5?ちょっとなら歩けばいいよね!」と駅から寄り道の諏訪大社まで歩くことにした子もいた。1週間前には、駅の窓口で切符を買うときの会話を練習したり、持ち帰る荷物をまとめて準備を進める姿があった。

 7月23日。「行ってきまーす」とセンターを出ていく子どもたちを見送った。指導者は電話の前で連絡を待つのみ。今頃は、上田で乗り換えだとか、そろそろ桃狩りしている頃だとか、思いを馳(は)せながら待っていると、昼頃から、「合流できましたー!」と明るい声の電話がかかってきた。無事たどり着いた安堵(あんど)と喜びの声を聴くと本当に安心する。この後は家族と積もる話をするのだろう。
 みんな、一学期はたくさんの体験をしたね。お疲れ様。















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