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「導く立場として」

山村留学指導員 山崎 ひかる

 指導員として英語村に勤め、またたく間に三ヶ月が過ぎた。振り返ると、この数か月は発見と反省の繰り返しであった。子どもと関わる中で毎日学ぶことばかりであるが、そんな私は当初に目標の指導者像として掲げた「正確さだけを求めない指導者」になれているのだろうか。

 六月は毎週末子どもたちとキャンプに行った。そのうち二週はチャレンジキャンプと呼ばれるもので、十キロ離れたキャンプサイトまで自力で歩き、決まった食材で夕食と朝食を各自で考え、調理するというものだった。一週目は初めてのキャンプサイトを利用し内容も子どもに任せた活動が多かったため、想定外のことが次々に起こった。その反省から二週目はすべてをうまく回そうと、一から十まで子どもに伝えようとしている自分がいた。周りを見渡すと先週と変わらない様子のスタッフ。何故?またうまくいかなくなってしまう。ここでの私は完全に「正確さだけを求める指導者」になっていた。

 どこまで伝えるべきなのか。指導者として子どもと関わる私の最初の課題である。他の活動で、子どもたちが失敗から学ぶ姿をたくさん見てきた。火起こしやテント設営の仕方、他人との関わり方など、それぞれの工夫やこだわりが見えてくる。そして、誰かから教わる正解よりも、自分で辿(たど)り着いた結果の方がより価値があり、印象に残る。山を登るときも、山頂からの景色を写真で見るのと自力で登って眺めるのは全く別物である。指導員として、子どもの安全や危機管理はしっかりとしていかなければならない。その一方で、子どもが伸び伸びと活動する様子を見守るのは、親代わりでもある私たちの役割である。

 この数か月間の子どもの成長に喜びを感じ、感動している。そして、そのような子どもたちを見守りながら私自身も共に学び、成長できている。導く立場である私も、子どもたちに導かれているのだろう。















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