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生き物の大切さ

売木学園食育指導員 井澤和寛

 売木学園ではヤギやチャボ、メダカを飼育しています。生き物に関わる事で、命の大切さや有難みを知る事が目的です。今回は誰もが小学生の時に学習したメダカに注目してみたいと思います。

 今、世間ではコロナ禍という事もあり、水替え頻度が少ない事やエアーポンプが無くても飼育出来る等手軽に飼育しやすい為、自宅時間を楽しむ事を目的に飼育される方が急増しています。昔は田んぼや小川などに多くいましたが、現在では数が激減していてなかなか自然のメダカに出会う事は少なくなってしまいました。メダカは田んぼでコケや小さな微生物を食べて生活しています。そのおかげで水質浄化し稲の病気などを防いでいました。しかし、人間が農薬などを使用する様になり、メダカの生活場所が減少しているのです。

 メダカは春から夏が産卵シーズンです。水温や水質が安定すると毎日卵を産み付ける様になります。センターでも繁殖に力を入れていますが、気温が安定せず、朝夕と日中の気温差が大きい事でせっかく卵を産み付けても孵(ふ)化しない事も多くあります。しかし、気温が安定してくると、今まで失敗していた事が嘘のように、体長2?程の稚魚が孵化し始め、天候の良い温かい日には一斉に孵化します。その光景を見た時には喜びや嬉しさがこみ上げてきます。生き物が好きな自分は毎日、水槽の前を通る時に気になって毎回見てしまう程、過保護になっています。

 メダカは小さな生き物ですが、冬は氷の下で越冬し、夏は温かい水の中でも生きて行ける力強さを持っていて、その小さな生き物を大切にする事により、生態系が保たれ、自然豊かな環境を維持出来、人間にとって緑豊かな住みやすい環境が出来ているのです。そして、人間が生きて行く上で最も重要な食生活が、様々な生き物と共存する事で成り立っているという事を再度見詰め直し、日々食べている食事への有難さを多くの方へ知ってもらいたいと思います。















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