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小学生ソロキャンプ
八坂美麻学園
山村留学指導員 大山楽人
六月のセンター活動中、小学生キャンプを行った。小学生にとっては、今年度二回目となるキャンプ。テーマはズバリ、『一人で火を起こし、飯盒でご飯を炊く』だ。
今回は、基本的に大人の手は借りず、薪集め、火起こし、飯盒炊爨(はんごうすいさん)と全てを一人でこなしていく。また、もらうマッチの本数、新聞紙の有無、大人のヘルプを受けられる回数を事前に自分で設定する。自分の力量を見極め、あえて自分を追い込むのか、甘めに設定するかは自己判断だ。
いざ当日、説明を受けた後、それぞれ動き出す子ども達。進め方や食べるタイミングは全て自由。
一人でのキャンプとなると本当に子どもの性格、個性がよくあらわれた。薪集めひとつにしても集めた薪を適当に置いている子、几帳面に太さごとに並べている子。すぐに火おこしに取り掛かる子もいれば、「早くできすぎてもなあ。」とあえてのんびりしている子も。また、上手くいかなくても、助けを求めたい気持ちと、自分のプライドと葛藤しながら『自分の力で何とかする』とギリギリまで一人でやり抜こうとする様子もあった。
普段、誰かと行動を共にするのが当たり前の子ども達が、一人の世界に入り、自ら考えながら、他人に頼ることなく、自分のペースでキャンプと向き合っていた。
無事、全員が自分でご飯を炊くことを達成。最終的には大人に助けてもらった子もいたが、自分で炊いたご飯であることに変わりはない。
キャンプ後の振り返りでは、事前の設定と実際にどうだったかをすり合わせたり、反省点をあげたりした。かなり苦労した子もいたが、「またやりたい!」「次はこうしたい!」と次々と上がる声。「もうやりたくない」という声は聞こえなかった。みんなが前向きなことがわかると同時に、まだできるという子どもの底力を感じ、嬉しかった。こちらが思っているよりもずっと、子ども達は逞(たくま)しい。