« 「時代にぶれない教育」 | メイン | 「指導者としての私」 »
年齢と個性と人間関係
三瓶こだま学園
山村留学指導員 斉藤 夏海
三瓶こだま学園の十九期は七名の継続生と四名の新入園生で新年度を迎えました。小四?中三まで各学年人数が散らばっていることに加えて新入園生が小学生も中学生も下の学年なので昨年度に比べ兄姉弟妹の関係が明確で教えを乞うたり教えたりがしやすそうです。
それを見ていて人間関係の築き方について少し考えました。誰かと初めて会ったときまず相手の立場や年齢を気にするのが日本人の感覚ではないでしょうか。立場や年齢によって言葉の使い方や態度の取り方が決まっているからです。
おそらくそれは儒教の影響を受けた日本文化や、日本語特有の敬語が大きく関係していると思います。おかげで適切な態度や言葉遣いを用いればスムーズに関係を築くことができます。そのような人との接し方を習得するのは必要なことだと言えるでしょう。
しかし逆に悪い影響もあるのではないでしょうか。例えば無意識に相手を年齢別のステレオタイプにはめてしまったり、年齢や立場がわからないと相手との接し方を決められなかったりなど相手を一個人として見ることが難しい点です。この年齢・この立場の人はこうあるべきという同調圧力につながっていることもあるでしょう。私ももう三十歳なのだから外で遊び回ったりはしないなど指導員を始めてからステレオタイプに自分自身をはめてしまっていることに気付いています。集団生活ではどうしても集団主義に寄りがちですが、気をつけないとそれは個性を殺してしまうようなことにもなりかねません。集団主義のいいところを理解しその場に応じて周りと合わせたり、また逆に年齢や立場に縛られず個性を大事に人と接したりすることを忘れてはいけないと感じます。
先日、十九歳のOGが来月からオーストラリアに留学をすると報告しに来てくれました。英語文化圏には個人を大事にする文化が根付いています。山村留学で学び海外留学で学んだ子がどのような人になるのか楽しみです。