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「志望理由」

山村留学指導員 沼澤佳明奈

 先日、来年度の職員採用面接がリモートで行われていた。つい先月入職した私は、就活していた頃を昨日のことのように覚えている。

 畜産学部だった私の選択肢は研究機関か、飼料会社か、あるいは取得した教員免許を活かして高校教員か。しかし、どの職業も魅力的には思えなかった。自分が惹【ルビ:ひ】かれる仕事はないかと、就活サイトで出身大学卒業生の就職先を片っ端から目を通した。そこで育てる会と出会った。なぜこの仕事に惹かれたのか、きっかけは私の生い立ちにある。
 8歳から14歳までの6年間を香港、ベトナムで過ごした。ベトナムでは、明らかに日本より貧しい国であることを目の当たりにする毎日で、不衛生でいい加減、お金はないけど明るい人々の姿があった。日本へ帰国して、やはり豊かな国だと思った。しかし、大学の講義で「子どもの貧困」が問題になっていることを知った。これほど豊かな国で「貧困」が問題になっているというのは衝撃だった。自由課題のレポートでは、教育格差をテーマにした。貧しい家庭の子どもは、進学を諦めざるを得ないケースが多く、就職にも影響する。そのため、貧困から抜け出すことが難しいのが現状である。私にできることは何か。地域の児童養護施設へ連絡をして、アルバイトを始めた。施設の子供たちはゲームをして過ごすことが多かったが、一方で虫や木の実、魚など自然に興味を示す子もいた。しかし、彼らの好奇心を制限された環境の中で広げることは難しかった。釣りやキャンプ、山歩きなどを通して、もっと彼らの好奇心を広げたいと思った。
 これが育てる会に惹かれた理由である。私はこの仕事を通して、子供たちの好奇心、可能性を広げるスキルを学び、身につける。いつか子供たちが平等に教育を受けられる日を夢に見て。















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