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「思いの詰まったスキー場」

山村留学指導員 邑上貴厚

 南砺利賀みらい留学センターで生活をしている小学生は、地域の保護者が主体となって活動しているスポーツ少年団に、可能な限り参加させていただいている。
 活動は週1回で、春〜秋は学校の体育館で様々なスポーツを、冬の間は村内にかつて存在していたスキー場を利用してのスキー活動が行われている。1997年〜2013年まで営業していた「スノーバレー利賀」である。現在もホームページが存在しており、コースの充実したスキー場であったことが窺(うかが)える。

 そんな「スノーバレー利賀」でのスキー活動は秋の終わり頃、1年間で伸びた木や草の処理から始まる。そして、年明けにはリフトの設置作業をもって、下準備は整う。そして活動前日(それより前から行うことも...)から圧雪車によるゲレンデ整備。当日、雪が積もればリフトや休憩室の入口を掘り出す作業を行い、ようやくスキー活動を行うことができるのだ。
 活動中も気を抜くことはできない。リフトのワイヤーが外れてしまうことがあるのだ。外れたワイヤーは、また雪に埋まり、それを掘り出すのにも一苦労だ。
 これだけの手間をかけて行うスキー活動の裏で、中には、「無理して利賀のスキー場でやらなくても...」という声もあるようだ。
 「どれだけ手間がかかったとしても、利賀地域の中で活動することに意義があると思っている。」スキー活動に携わる保護者の言葉だ。
 私たち指導員も一緒にスポーツ少年団へ参加をしている。2月6日は生憎の大雪で、リフトが埋もれたり、ワイヤーが外れたりするなどトラブルが続出した。大人たちはそうしたトラブルへの対応に追われたが、子どもたちもそれに応えるように自力でゲレンデを上がって練習を続けた。
 クタクタになった1日だったが、活動の最後、ゲレンデに向かって全員で挨拶をしたときには、いつもとは違った、どこか厳かな気持ちになった。これからも、そうした活動にできる限り尽力したいと思った。















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