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「楽しみを発見」

山村留学指導員 山本将寛

 除雪され、道路脇に積まれた雪が私の背丈を超えようとしている。雪の壁と一緒に歩く経験はこれまでになく、この雪の量と寒さに既に利賀村に圧倒されている。地域の方は「まだまだ利賀の冬はこんなものではない」と話しており、無事にこの冬を乗り越えられるか心配している一年目の冬である。

 そう感じていながらも、雪積もる地域にいるからこそ、スキーという楽しみができた。センターの活動でアルペンスキーを行うので、そちらを練習しながらにはなるが、現在はテレマークスキー(アルペンスキーとは異なり、かかとを固定せずに滑り、足を前後に開いてターンを行う)に力を注いでいる。休みの日はゲレンデに出かけ、センター活動中は朝の休み時間を使って、センター裏の土手をひと滑り。ゲレンデに行かずとも、センター周辺には十分な積雪があるため、板に乗って雪の上を歩き、ちょっとした斜面で一ターンか二ターン決め、ときには転んで、雪に埋もれて、なんとか脱出し、斜面を登り、また滑るという感じで自由に雪の中で遊ぶことができる。転んで悔しくなりながらも、柔らかい雪が気持ち良かったり、普段転ばない分柔らかい雪に転ぶことそのものが楽しかったりして、一人でいてもついつい笑みがこぼれてしまう。
 私は物事の本質に届く前に取り組んでいることを投げ出してしまうことが多く、なかなか一つのことに熱を注げない人だが、指導員になってから初めて夢中になって取り組めるものに出会えたかもしれない。鉄は熱いうちに打てと言うように、興味と意欲があるうちにたくさん滑っておこうと思う。
 センターの裏でも活動の場になるということが分かり、最近では、村内を移動する際に「この斜面なら滑れそうかな...?」と景色を見ながら活動のフィールドを探している。自分の趣味を通して、村内の体験材を見つける、さらには、テレマークスキーのような自分が熱中しているものの魅力を伝えながら、留学生の体験の幅を広げていきたいと思う。















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