« 「楽しみを発見」 | メイン | 人をおもんぱかる »
「スキー場に潜む危険」
くらぶち英語村
山村留学指導員 今野公彦
冬が一番好きな季節である。雪山登山ができるからだ。私はその中でも雪山を登りスキーで滑る山スキー(バックカントリー)が好きだ。今回はその身近な雪山に潜む危険について書きたいと思う。
山スキーはアウトドアをしている人たちにとって憧れの対象であることが多い。昨今はどこのスキー場も非圧雪ゾーンやリフトから山にアクセスできるサイドカントリーゾーンを広げてホームページやSNSに公開している。スキーヤーもスノーボーダーもふかふかの雪の上を、大きなパウダースノーのしぶきを上げながら、気持ち良さそうに滑っている。それを見たら、雪山の世界に飛び込みたくなるだろう。実際ここ数年で非圧雪ゾーン、サイドカントリーゾーン、そして山スキーをする人が増えているようだ。しかし、管理外区域エリアでは悲しい事故が絶えないのも事実である。その中には小中学生の事故もあった。
典型的な事故例が、転倒して窒息することである。私も実際に体験したことがあるが、転倒すると深く雪に埋もれるので、正しい立ち上がり方を知らないと抜け出せずに沈んでしまう。そして、周りの視界から消えるので見つかりづらい。時間と体力だけが削られてしまうのだ。転倒と窒息は、二人以上でお互いの位置を確認しながら滑ることで防げる。これはほんの一例だが、圧雪されたゲレンデとは状況が全く異なる。
他にも、道迷い、木と雪の温度差で形成される穴(ツリーホール)への落下、冷たい風の影響で形成されるアイスバーンなど管理外区域はいつも危険と隣り合わせ。遊び半分の気持ちで入らないようにしたい。スキー場には立ち入り禁止を示すロープが張られている。それを越えて滑る人たちを目にしたことがあるかもしれないが、それはやってはいけない。
自然体験の需要が高まる昨今、私たち指導員、留学生ともに安全に配慮しながら、雪の体験活動を楽しみたい。