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「学園生を追いかけて」
大岡ひじり学園
山村留学指導員 福尾静花
年末、冬休み自然体験キャンプを3泊4日で行った。アルプスの里山村生活班として、学園での集団生活や、わら細工を体験し、そして、大岡の自然を思いっきり楽しむ。
学園生たちが帰省し、しんと静まったセンターで、私は生活班の子どもたちを迎え入れる準備を進めていた。廊下やトイレ、玄関の掃除をしようとする。掃除道具を手にして、ふと気がついた。学園生は、いつもどんなふうに掃除をしていたっけ。掃除の仕方を見ながら、みんなの姿を記憶から手繰りよせながら、取り組んでみた。本気でやると1時間では終わらない。これを毎日40分できれいにしている学園生。その姿にもっと意識を向けていこうと思う。
まもなくして、生活班の子どもたちが大岡にやってきた。「お風呂、おっきい!」「ごはんは正座で食べるの?」新しい生活に目を輝かせたり、少し戸惑ったりしている。はっとさせられるのは、みんなゼロからのスタートだということ。お箸の持ち方も、お風呂の入り方、手ぬぐいの使い方、部屋の整理整頓、全てが初めての体験だ。
彼らと生活を共にし、いつの間にか、私は学園生の姿を追いかけていた。私が初めて学園に来たとき、教えてくれたお風呂の入り方。食堂での食器の洗い方や、就寝時のシーツの敷き方、一つひとつが学園生から教えてもらったものだ。それらを、今私が、初めて学園生活を体験する子どもたちに、「こうするんだよ」とやって見せている。
生活班の子どもたちは、たどたどしくも、少しずつできるようになっていく。その姿を、できるようになったねと、私は見守る。学園生たちもこのような気持ちで、私と生活をしているのかもしれないと思う。
年を越して、元気に戻ってきた学園生たち。彼らから多くを学び、次に大岡にきてくれる子どもたちに繋げたい。