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同じ八坂でも...
八坂美麻学園
山村留学指導員 大山楽人
収穫祭が終わり、数日後、八坂にも雪が降った。一時的だが、眼下に見える棚田の景色も白く染まっていた。私が入職してから、十一月の積雪は初めてだ。
そんな中、同じ八坂でも、「川手」と呼ばれる、犀川沿いの地域は、雪が積もるどころか、まったく雪が降らなかった。川手の地域は、センターがある場所よりも500m近く標高が低い。そのため、雪の降り方にかなり差がある。
今季初めて雪が積もった日、地域の体験教室に参加する子ども達は、農家生活中のため、各農家から公民館に集まった。
雪のない川手の農家さんにお世話になっている子ども達を迎えに行き、雪のことを話すと、「え、上のほうは雪あるの?」と驚いていた。そして、「公民館にも雪あるかな?」とワクワクを隠せない様子で車に乗り込んでいた。公民館は、川手からセンターに向かう途中にあり、センター寄りなので、雪も積もっていた。川手から公民館に向け車を走らせていると、上の方が白くなっていることが確認できる。「うわ、あそこから白くなってるよ」と見上げた景色は、白と茶色の境界線が見えるほどはっきりと分かれていた。さらに進むと急に辺りが白くなる。「急に白くなった!」と子ども達もびっくり。
公民館に着くと他の農家の子や地元の子が集まっていた。すると、「え、川手は雪ないの?俺たち雪遊びしてきたよ」「え、ずるい!いいな!」と違う農家の子同士で交わされる会話。それを聞くと、たかが雪だが農家の地域によって優劣のようなものが生まれることが分かり、思わず笑ってしまった。こればかりは仕方ない。
そして、始まる雪遊び。僅か数センチの雪で雪合戦に、雪だるま作り。これから体験教室が行われることはお構いなしで雪に夢中になって遊んでいた。
同じ八坂でも、気候が異なること。そして、やっぱり子どもは雪が好きなんだと改めて感じた一日だった。